円安加速、1ドル=126円台! 政府の「市場介入」あるか?...エコノミストは「効果」に期待薄、「それよりやるべき対策」とは

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円安は悪くない...「大事なのは賃上げ」だ

   上野氏の指摘によると、「円買いドル売り介入」をしても、日米関係が悪化するうえ、やっても効果が薄いというのだ。

   一方、「悪いのは円安ではない」と主張するのは、三井住友DSアセットマネジメントのチーフマーケットストラテジスト市川雅浩氏だ。「悪いのは円安なのか」(4月12日)のなかで、市川氏は急激な円安の進行をグラフで示した=図表2参照

(図表2)ドル円レートの推移。今年1月の1ドル114円台から126円台近くまで下落(三井DSアセットマネジメントの作成)
(図表2)ドル円レートの推移。今年1月の1ドル114円台から126円台近くまで下落(三井DSアセットマネジメントの作成)

   そしてまず、「円安は良い面と悪い面があるのですが、ガソリン価格の値上がりなどは、身近に感じられるため、悪い円安という声が、よく聞かれるようになった」としたうえで、こう指摘した。

「根本的に悪いものは何かというと、それは原油価格や食品価格の急騰です。米の利上げもこれに対応するものであることから、円安は結果的に生じるもので、おおもとの原因ではないといえます。原油価格や食品価格の急騰は、コロナによる供給制約やウクライナ情勢の緊迫化などに起因しており、短期的な抑制が難しく、日本国内にも値上げの波が押し寄せています」

   ようするに、円安は、人々の生活を苦しめる「無実の罪」を押しつけられているというわけだ。では、元凶は何だろうか。市川氏はこう結んでいる。

「こうしたなか、広く議論されているのが賃金の引き上げです。値上げに耐えうる賃金の引き上げで、個人消費増、企業収益増という経済の好循環を作るという考え方です。重要なことは、悪い円安というだけでなく、値上げの根本原因を見極め、対処していくことです」
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