米国で長期金利が上昇。それにより、日米の金利差の拡大を見込んだドル買い・円売りが優勢になっている。米国では金融引き締め策を強化するとの観測が台頭していることで、米国株が下落。その影響が東京株式相場へ飛び火している。
ロシアによるウクライナ侵攻は止まらず、長期化するとの見方が広がっている。一方、中国では新型コロナウイルスの感染が再拡大しており、景気後退が懸念されている。世界が混沌としている。
どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 不安定な値動きが続く米国株
日経平均株価予想レンジ:2万6500円~2万7500円
2022年4月8日(金) 終値 2万6985円80銭
今週の東京株式市場の日経平均株価は、上値の重い展開か。
前週の東京株式市場の日経平均株価は、大幅続落した。米国で長期金利が上昇し、金融引き締め策の強化、利上げ幅の拡大懸念が台頭していることで、米国株の下落が相場の足を引っ張った。加えて、中国での新型コロナウイルス感染の再拡大による景気後退懸念も嫌気された。
今週の日経平均株価は、上値の重い展開となりそうだ。米国の利上げ幅の拡大観測の強まりと長期金利の上昇により、米国株が不安定な値動きを続けており、日経平均株価の重しとなっている。
ウクライナ情勢の不透明感に加え、中国では新型コロナウイルスの感染再拡大によるロックダウン(都市封鎖)が実施され、中国経済の悪化懸念が強まっていることも、悪材料となっている。
今週は米国の金融政策の判断材料となる3月の消費者物価指数など経済指標が発表されるため、注目したい。
東京外国為替市場 ドル、さらに上昇の可能性
ドル・円予想レンジ:1ドル=121円50銭~125円80銭
2022年4月8日(金)終値 124円32銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルがしっかりの展開か。
前週のドル円相場は、ドルが上昇した。米国での利上げ幅の拡大観測の強まりを背景に、米国の長期金利が上昇し、日米の金利差の拡大を見込んだドル買い・円売りが優勢になり、ドルは一時1ドル=124円台半ばまで上昇した。
今週のドル円相場は、ドルがしっかりの展開か。日米の金利差拡大を見込んだドル買い・円売りの構図が続くと見られるものの、3月28日に付けた1ドル=125円台前半の水準が近づいており、いったんは利益確定のドル売りなどでドルの上値が重くなると見られる。
ただ、ドル高・円安の構図に変化はないため、1ドル=125円台前半の上抜ければ、ドルは1ドル=126円近辺まで上昇する可能性がありそうだ。
経済指標は、国内では11日に3月の工作機械受注、12日に3月の企業物価指数、13日には2月の機械受注などが予定されている。
海外では、11日に中国の3月の消費者物価指数と生産者物価指数、12日に米国の3月の消費者物価指数、13日に中国の3月の貿易収支、14日にECB(欧州中央銀行)定例理事会、米国の3月の小売売上高、15日に米国の3月の鉱工業生産などが予定されている。
(鷲尾香一)