「海外を成長ドライバー」の可能性と懸念
キユーピーは「2030ビジョン」として、中国・東南アジアを中核に北米を強化した「海外を成長ドライバー」とする事業方針を明らかにしています。重点領域は「サラダ(調味料を含む)とタマゴ」。ROE(自己資本利益率)8%以上、営業利益率7.5%、海外売上伸長率 年率10%以上の目標も掲げています。
2021年11月期は、流通子会社を連結から外して食品事業に集中し、事業セグメントを再編するなどにより事業戦略の明確化と推進強化を図ってきました。これまでプロダクトアウト的な色合いの濃かった組織も、マーケットの視点で再編していくようです。
会社の課題に対して的確に手が打たれているという評価もできますが、一方で中国を中心とする海外市場に賭ける部分は、不透明な要素が残されているのかもしれません。
なお、株価は2021年9月21日に2813円の年初来高値を記録しましたが、現在は2300円近辺を推移しています。(こたつ経営研究所)