新たな変異株の出現は止められないのか?!
ふと疑問に感じるのは、なぜ、変異株は英国で発見されるのか、ということです。過去にはアルファ株が英国で最初に発見されましたし、デルタ株とオミクロン株の「合体」とされる「幻のデルタクロン」発見騒動も記憶に新しいところです。
メディアではかねてから、「英国は変異株の温床になるのか?」と話題になっていました。
Is UK now a breeding ground for new variants?
(英国は、新たな変異株の温床になるのか?:英BBC放送)
breeding ground:温床
先日、英国では、新型コロナが拡大し始めた2020年4月から2年間で約2140万人が感染したと発表されました。そのうち、なんと3回以上感染した人が約8800人で、2回以上感染した人が80万人を超えるというから驚きです!
詳しくは分かりませんが、ある程度の免疫力があり、なおかつ依然として感染が広がっている状況が、突然変異に最も適した環境とされているそうです。感染が広がりきったところに、さらに「規制緩和」でリバウンドを招いている英国は「breeding ground」(温床)になりやすいのでしょうか?
それでは、「今週のニュースな英語」は、この「breeding ground」を使った表現を紹介します。
breeding ground for corruption
(不正の温床)
Internet has become a breeding ground for crime
(ネットは犯罪の温床になっている)
Plastic waste a breeding ground for germs
(プラスチィックゴミは細菌の温床だ)
もちろん、インペリアルカレッジやオックスフォード大学といった英国の優秀な研究機関の存在が「変異株発見」につながっていることは事実でしょう。それでも、「コロナとの共存」に舵を切る国が増える限りは、新たな変異株の出現を止めることはできないのだろうと、暗澹とした気持ちになってしまうこの頃です。
(井津川倫子)