きょうは50代のMさんがいらっしゃっています。記念すべき100人目です!! おめでとうございます。
「まわりに雇用延長する方が増えてきました。私もこのまま、今の会社で雇用延長しながら働き続けたいと思っています。ただ、すでに雇用延長している人から『仕事がなくて暇』『やりがいを感じない』という話を聞くこともあります。一方では、50代の頃と変わらない様子で生き生きと働き続けている人もいるとも聞きます。後者になるためには何を工夫したらいいでしょうか」
企業の業務自体も変化している
雇用延長したら、仕事がなくなるというわけではありません。ビジネス環境の変化によって企業の業務自体が変化しているため、それに対応できる人が優先的に仕事を振られるというわけです。たとえば、既存業務のデジタル化が進んだら、それに対応できる人が重宝されます。一方で業務の自動化が進んだら、その業務を担当していた人の仕事がなくなってしまうわけです。
だからといって20代、30代の世代が元からデジタル化に詳しいかどうかというと、必ずしもそうでもありません。業務の変化があれば受け入れ、自ら対応させているだけです。
そんな中で、
「デジタル化なんてついていけないから、若い人に任せておけばいい」
「今までこのやり方で成功してきたから、新しいやり方に変える気はない」
と、こんなことを言っていたら、企業からお願いされる仕事もなく、企業側も配置転換もできませんよね。
環境や業務の変化を受け入れた人にはチャンスがまわってくる
私の知り合いで雇用延長した方がいます。展示会担当の部署に所属されていますが、コロナ禍で仕事のやり方自体に大きな変化があったそうです。これまでは会場内で直接お客さんに説明をするというやり方でしたが、コロナ禍でオンライン展示会に変わったのです。
その部署では雇用延長した方が3名いましたが、オンライン対応を受け入れた方は1名だけ。結果的に、オンライン対応を受け入れなかった2名は、仕事があまりなく暇な状態になってしまったのです。一方、受け入れた方は、オンライン展示会のための映像を撮影したり、ノベルティを検討したりと楽しそうでした。給料も前年度と据え置きで減少にならなかったと喜んでいらっしゃいましたね。このように、違う環境に踏み込んでみた人、拒否しなかった人はそこでチャンスをつかむことができるのだと思います。
慣れ親しんだ環境は居心地がいいですし、楽だと思います。しかし、そこにとどまってしまうと、その先の仕事自体がなくなってしまう、今はそんな時代になったのです。そして、困難な道だとしても「楽しむ姿勢」を持った方が生き残っていけるのかもしれませんね。
時間は有限、だから学ぶ分野は精査が必要
残念ながらMさんは50代なので、20代、30代のように残された時間はたくさんありません。時間は有限です。なので、「とりあえず資格を」と全く興味もなく、仕事にも関係ない資格に挑戦しても意味がありません。もし、「デジタル化」に対応するためにプログラミングを学ぼうとしても、「エンジニアとの打ち合わせを円滑にするため」「もう一つの収入源を作るため」など、学ぶ目的がないと今から身につけることは難しいでしょう。
社内でこの分野の人材が欠けているからと、進化させるために自ら学ぼうというのはいいと思います。たとえば、リモートワークに対応するために、業務の進め方を改善したり、変化させたりしていくことも必要です。どんな分野で活躍できるか、待ちの姿勢ではなく、自ら仕事を探していく、作り出していくことも雇用延長の先には必要になっていくでしょう。
(ひろ子ママ)