教師不足の深刻化、その数2000人以上 抜本的解消は遠く...教師の「働き方改革」必要(鷲尾香一)

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教師の不足数が多いのは、福岡県、大阪府、茨城県

   こうした教師不足の要因としては、(1)産休・育休取得者数が見込みより増加(2)特別支援学級数が見込みより増加(3)病休者数が見込みより増加――で、必要となる臨時的任用教員が見込みより増加したことがあげられている。

   文科省やそれぞれの教育委員会では、教師の確保のためにさまざまな対策を講じてはいるものの、教師不足が抜本的に解消される状況にはない。

   そこには、たとえば、一般的に臨時的任用教員は期間が短い(年度内だけなど)うえに、昇給がないことや、社会保険制度が完備されていない(正規教員と同じ社会保険に加盟できない)など、制度上の不備に近いもののある。また、教師という職業が大学生などに不人気なことも大きな要因だろう。

   だからと言って、国の将来を担う子どもたちの教育を行う教師が不足し、臨時教員であっていいはずはない。国と各教育委員会は、既成概念にとらわれず、さまざまな発想、アイデアで教師を任用していくことが必要だ。

   最後に、小学校と中学校の都道府県別の教師不足数の上位を取り上げる。小学校で教師数が充足しているのは、山形県、群馬県、東京都、新潟県、和歌山県、山口県の1都5県。中学校では岩手県、秋田県、山形県、東京都、新潟県、山梨県、和歌山県、高知県の1都7県となっている。

   小学校、中学校ともに教師が足りているのは、山形県、東京都、新潟県、和歌山県の1都3県しかない。

   一方、教師の不足数が多いのは、小学校、中学校とも福岡県、大阪府、茨城県などとなっている=表4、表5

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
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