元祖「SDGs」の「三方よし」の商人道
伊藤忠商事の石井敬太社長は、創業者である初代・伊藤忠兵衛の「商人道」から説き起こした。
「近年、企業経営におけるSDGsの重要性が一段と高まりを見せていますが、その中でたびたび『三方よし』という言葉が引用されます。この『三方よし』は、売り手、買い手、世間の三方が共に満足すると言う共存共栄の考えにあり、伊藤忠兵衛翁に代表される近江商人の経営哲学をルーツとする、現在の当社の企業理念です」
いわば、元祖「SDGs」の考え方というわけだ。そして、新入社員たちに常に社会貢献を意識せよ、と訴えた。
「ビジネスの基本は信用です。信用のない仕事は長続きしません。自分の利益中心ではなく、お客様や仕入れ先のことを考え、また、そのビジネスが社会に貢献するものであるかどうかを大事にしていれば、必ず周囲からの信用を得ることができます。そしてその信用がまた次のビジネスに繋がり、信用の連鎖が生まれます」