「仕事だけではなく私生活でも誠実であれ」
さまざまな就活生の入りたい企業ランキングでは、常にトップクラスの野村総合研究所の此本臣吾社長は、「私生活でも誠実であれ」と厳しく説いた。野村総合研究所(NRI)の3つの企業風土を引き合いに、こう語ったのだ。
「1つ目は、『任された仕事は絶対に手を抜かない』ということです。この先、苦しい仕事に直面することもあるでしょう。そのような場面においても全力で仕事に取り組み、やりきるという経験こそが、自らの成長を支える土台になります」
「2つ目は、『仕事だけではなく私生活でも誠実である』ということです。いかに優秀でも、誠実さがなければお客様からの信頼は得られません。真面目で誠実な姿勢は、NRIグループが誇れる組織風土です」
「3つ目は、『謙虚な心を持つ』ということです。自分ひとりでできることには限りがあります。幅の広い大きな仕事をしていくには、他者とのコラボレーションが不可欠です。誰に対しても謙虚、真摯な態度で接し、信頼してもらえる行動を取ることを忘れないでください」
古河電工の小林敬一社長は、これから仕事をしていくうえでの心構えとして、「CanとWillを増やそう」と呼びかけた。
「私から皆さんにエールを贈ります。それは『失敗を恐れずに、自分の『Can』を増やし、『Will』を見つけてほしい」ということです。『Can』とは『自分が出来ること』、『Will』とは『自分がやりたいこと』です』
「『失敗をしたら周りから何と言われるだろう』『失敗をしたら迷惑を掛けるのでは』と恐れるあまり、実際に行動に移せないことがあるかも知れません。(中略)失敗は勇気を出して行動した証、次に繋がる成長の糧なのです。好奇心を持っていろいろなことにチャレンジしてください」
仕事に対する姿勢について、学制時代から剣道を続けている三菱重工の泉澤清次社長は、座右の銘にしている武道の修行の言葉である「守破離」(しゅはり)の気持ちを持って仕事と向き合ってほしい、と説いた。
「『守』は先生の教えを守りそれを確実に身につける段階を、『破』は『守』の段階で学んだことに自分なりに工夫を凝らし変えていく段階を、『離』は自分独自のやり方を確立していく段階を指します。まずは、先輩たちの良いところは貪欲に真似をする」
と、「守」の段階からしっかり基本を身に着けようと呼びかけた。それと、もう1つ強調したのが、「一人称」というキーワードだった。
「どのような仕事も自分がやる。自分でやるという意識で受け身ではなく、半歩でも前に出て取り組み、環境や周囲のせいにせず、何ができるかを自問すること」
これが大切だと訴えたのだった。