「現地・現物・現認の現場第一主義でいこう」
近鉄エクスプレス・鳥居伸年社長は「貨物屋」としての「現場第一主義」と強調した。
「当社は世界46か各国301都市で697の拠点を持った総社員数約1万7000名の総合物流業者であり、世界的規模の『貨物屋』です」
と説明した後、こう続く。
「皆さん『デジタルネイティブ』世代は、情報収集能力が他の世代より優れ、未知の事に関しても自分の価値観をしっかりと確立されているでしょう。一方で、いろいろな制約のために、実体験や実経験がかなわなかったことも事実であると思います」
それだけに、今後はどんどん現場を踏んでほしいと呼びかけた。そして、格言の矢を次々と放ったのだった。
「習うより、慣れろ」
「石の上にも三年」
「百聞は一見に如かず」
「馬には乗ってみよ、人には添うてみよ」
「学びて思わざれば、則ち罔(くら)し」
インターネットでばかり情報を集めるデジタルネイティブ世代の新入社員に不安を覚える社長さんは多いようだ。埼玉県羽生市に本社がある曙ブレーキ工業の宮地康弘社長も、「現場主義」の大切さを訴えたのだった。
「今後、仕事をする姿勢として『現地』『現物』『現認』という3つを覚えてほしい。現地、現場に足を運んで、現物、現実を自分の目で見て確認すれば、必ず良い結果が出るし、自分自身が成長できる。新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに働き方改革が進んでいるが、この本質は変わらない。デジタルネイティブ世代の皆さんの視点を活かして、積極的に働き方改革への提案をしてほしい」