ウクライナ危機から目が離せない状況が続いているなか、外国為替相場では日米の金利差の拡大懸念が広がり、円安進行が止まらない。その一方で、東京株式市場ではきょう、2022年4月4日に東京証券取引所の市場第1部ほかの各市場が新市場区分へ移行した。
東証の再編は市場第2部が創設された1961(昭和36)年以来、約60年ぶり。市場の上場基準を厳格化して、国際的な競争力を持つ企業を上位の市場に絞り込むことで、海外からの投資を呼び込むのが狙いという。
どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 米利上げ観測、FOMC議事録に注目
日経平均株価予想レンジ:2万7200円~2万8400円
2022年4月1日(金) 終値 2万7665円98銭
今週の東京株式市場の日経平均株価は、神経質な展開か。
前週の東京株式市場の日経平均株価は、3月相場の大幅な上昇からの利益確定売りにより、3日続落して、3週間ぶりの反落となった。
今週の日経平均株価は、東京証券取引所の新市場区分が4日からスタートすることで、神経質な展開となりそうだ。新市場は「プライム」「スタンダード」「グロース」の3市場区分となるが、市場変更になる銘柄や日経平均株価、東証株価指数(TOPIX)などへ、どのような影響が現れるのかを見極めたいとの思惑も働く。
注目材料は6日発表予定のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録。米国では0.5%の利上げ観測が強まっており、FOMCでの議論の内容へ関心が高まっている。
東京外国為替市場 ドル高基調続く......
ドル・円予想レンジ:1ドル=121円00銭~125円00銭
2022年4月1日(金)終値 122円49銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、引き続き、ドルが堅調な動きか。
前週のドル円相場は、ドルが上昇した。米国の0.5%利上げに対する観測が強まる一方で、日銀が指定した利回りで無制限に国債を買い入れる「指値オペ」を実施したことで、日米金利差拡大に対する思惑が強まり、ドルは一時1ドル=125円台に上昇した。
今週のドル円相場は、引き続きドルが堅調な動きとなりそうだ。1日に発表された米国の3月の雇用統計の内容も改善しており、米国の利上げ観測は強く、日米の金利差を背景としたドル高基調が続く可能性が高い。米国の金融政策の方向性を裏付ける意味で、6日発表予定のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録が注目されている。
経済指標は、国内では4日に東証の新市場区分がスタート。5日に2月の毎月勤労統計と家計調査、7日に2月の景気動向指数、8日にオプションSQ、3月の景気ウォッチャー調査などが予定されている。
海外では、4日に米国の2月の製造業受注、5日に米国の2月の貿易収支と3月のISM非製造業景気指数、6日にFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録(3月15、16日開催分)の公開などが予定されている。
(鷲尾香一)