いばらの道続く「東芝」経営再建の行方 「2分割」「非上場化」否決...またも戦略練り直し急務

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   経営再建に取り組む東芝がどこに向って進むのか、いよいよ分からなくなってきた。2022年3月24日の臨時株主総会で、会社が提案した「2分割」と、「物言う株主」の海外投資ファンドが提案した「非上場化検討」のいずれも否決される異常事態になった。戦略の練り直しが急務だが、出口が見えない状況が続く。

  • 3月24日の臨時株主総会で起きたこととは(写真は、東芝本社ビル)
    3月24日の臨時株主総会で起きたこととは(写真は、東芝本社ビル)
  • 3月24日の臨時株主総会で起きたこととは(写真は、東芝本社ビル)

現時点での「株主の意向」確認したかった経営陣

   2015年に不正会計、16年に米原発事業での巨額損失が相次いで発覚した東芝の経営再建問題は、文末の年表およびJ-CASTニュースのバックナンバーの通り、紆余曲折を経て今日に至る。21年以降は、17年の第三者割当増資で大株主となった海外の物言う株主(投資ファンド)と経営陣の激しいつばぜり合いになっている。

   経営側は今回の臨時株主総会に「2分割案」を提案していた。

   記憶装置などの「デバイス」を切り離し、本体は原発を含む発電設備などを手掛ける「インフラサービス」とし、上場会社2社体制とする計画だ。ところが、筆頭株主の投資ファンドなどが事前に反対を表明。投資家の判断に影響力を持つ米国の議決権行使助言会社2社も反対を推奨し、議案は否決された。

   経営側は21年11月、本体から「デバイス」と「インフラサービス」をそれぞれ分離し、残る東芝本体は、約4割の株を保有する半導体大手キオクシアホールディングス(旧東芝メモリー)などの株式管理会社となるという「3分割案」をまとめた。しかし、物言う株主の反発を受け、22年2月に2分割に修正していたが、それでも理解を得られなかった。その他の株主に「迷走」の印象を与えたこともマイナスだった。

   一方、第2位株主の投資ファンド「3Dインベストメント・パートナーズ」(シンガポール)が、「非上場化」を積極的に検討するよう求める議案を提出していた。外部のファンドなどに株を高値で買い取ってもらうのが目的だが、こちらも否決された。

   経営側、ファンド側のいずれの議案も、「2分割」なり「非上場化」なりを正式に決めるものではない。

   実際、会社分割などを決定する場合、株主総会で3分の2以上の賛成で可決する「特別決議」が必要だ。しかし今回は、現時点での株主の意向を確認するとして、経営側は過半数の賛成を得たうえで「2分割」への作業を進め、具体的計画は2023年の株主総会に特別決議として諮る考えだった。ファンド側も、「非上場化」の検討を求めただけで、具体的な買い手の当てがあるわけではなかった。

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