2023年卒就活生の内定率早くも3割! ハイペースで決まるIT系...地域差拡大の傾向も

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内定率高い業種は「IT系」がダントツ1位

   内定取得先の業種をみると、情報・通信業が31.1%とダントツに高いことが特徴だ=図表2参照。IT系企業は、優秀な人材が学生の段階から海外に流出してしまうから、早くから囲い込むためとみられる。続いて小売業(14.4%)、サービス業(14.1%)、製造業(12.2%)と続く。

(図表2)内定取得先企業の業種(リクルート・就職みらい研究所作成)
(図表2)内定取得先企業の業種(リクルート・就職みらい研究所作成)

   内定を取得した企業数をみると、平均1.71社で、1社が59.8と一番多いが、4社以上が計7.6%もおり、優秀な学生は早くから、多くの企業から内定をもらっていることがわかる=図表3参照。一方、内定辞退企業数をみても、2社以上という人が8.2%おり、就職先の決め込みに入った人が少なくないことがわかる。

(図表3)内定企業数(リクルート・就職みらい研究所作成)
(図表3)内定企業数(リクルート・就職みらい研究所作成)

   地域差のハンディキャップも際立っている。内定率が一番高いのは「関東」(33.2%)で、次いで「近畿」(30.1%)、「中部」(27.4%)と続き、「その他の地域」(21.7%)がガクンと低くなる。これは、3月18日までの就職活動の内容を聞いたデータによると、「対面」での採用活動が復活した影響もあるようだ。

   「その他の地域」の学生が、「企業の説明会・セミナーに参加した」など、企業の情報を得る活動の割合は、ほかの地域と同水準だが、「エントリーシートなどの書類を提出した」「面接など対面での選考を受けた」など、実際の選考に関する活動を行った割合が、ほかの地域と比べるとやや低い。このように、最終選考に進んだ学生の割合が少ないことが、内定率の地域差の背景にあるとみられる。

   「就職みらい研究所」の増本全所長は、こうコメントしている。

「内定辞退率を見ると、23.9%と前回の3月1日時点から5.3ポイント増加しています。内定取得企業数の平均が1.71社なのに対し、内定保有企業数の平均は1.36社で、複数の企業から内定を得た後に、自身の志望度を確認しながら取捨選択を進めている様子がわかります。内定率は高い水準ですが、就職活動実施率は約9割で多くの学生が活動を継続しています。企業や地域によって採用活動のスケジュールは異なります。学生の皆さんは、必要な情報を収集し、焦らず活動を進めていきましょう」

   調査は、2022年3月18日~22日、2023年卒業予定の大学生・大学院生を対象に、リクルートが運営する就活支援サイト「リクナビ」のモニターに登録した学生7648人(大学生6267人・大学院生1381)にアンケートした。

(福田和郎)

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