当初は調達に苦労も...いまや6000種以上の優待品を用意
――では、どういったブレークスルーがあったのでしょうか。
杉本さん「まず、いまは閉鎖してしまったウェブサービスの会員(個人株主)に来ていただいて、座談会を開きました。そこで、単刀直入に『どうしたら会員登録してくれるかな?』と聞くと、『何か見返りがあったほうがいいのでは』という意見がほとんど。さらに、社内で意見を出し合ううちに、ポイントのアイデアが出てきました。しかも、保有株式数や保有年数に応じて、より多くのポイントがもらえたらいいね、と。すると今度は、ではどうやってポイントを使ってもらうか――。これが課題になりました。紆余曲折あって、『株主優待と連動させたらどうか』というアイデアにたどり着きました。まさに『プレミアム優待倶楽部』が生まれた瞬間です。ところが、一難去ってまた一難です」
――どういうことでしょうか。
杉本さん「株主に還元する商品(優待品)は、自分たちで調達しないといけなかったからです。この課題のハードルも高かったですね。一度、百貨店の商品部を訪ねて、『商品を卸してもらえないか』と商談に行きましたが、実績がなかったこともあり、うまくいきませんでした。そうした状況が続く中で、ある時、人の紹介でカタログギフトを手掛ける会社を訪ねたところ、『いいですよ』とおりよい返事が! 『最初は、数十点の商品(優待品)で小さく始めましょう』と話もまとまりました」
――「プレミアム優待倶楽部」の仕組みを教えてください。また、ポイントと交換できる商品(優待品)にはどのようなものがありますか。
杉本さん「導入企業ごとに、株主専用サイトがあります。そのサイトで会員登録した個人株主は、導入企業の保有株式数に連動し、株主優待ポイントがもらえる仕組みです。従来の株主優待品は決まったものばかりでしたから、たくさん選択肢があって、自分で選べるとあって喜ばれましたね。商品(優待品)の用意が大変だったのは、昔の話(笑)。いまは『プレミアム』をうたって、6000種以上の多彩な商品をラインアップしています。具体的には、『旅』『電』『暮』『食』などのカテゴリーがあり、価格帯は数千円から数万円まで。人気があるのは、ブランド牛やワインでしょうか。海外の人気電化製品も取りそろえています。こうした商品(優待品)は、各導入企業の株主専用サイトで確認することができます」
杉本さん「また、それとは別に、集めた株主優待ポイントは、弊社がネット上で発行する『WILLsCoin』と交換して、弊社のポータルサイト『プレミアム優待倶楽部PORTAL』上に用意した商品(優待品)との交換も可能です。
複数の企業の株を持っている場合、各導入企業の株主優待ポイントをWILLsCoinへ合算して使えます。ちなみに、優待品は、一品ずつ送料がかかるので、WILLsCoinを貯めて高価な商品に交換する方がおトクです。また、欲しい商品(優待品)があるけれど、ポイントが足りない分は、1ポイント=1円としてクレジットカードで決済することも可能。たとえば。10万(ポイント=円)のワインが欲しいけれど、8万ポイントしか持っていないので、残りの2万(円=ポイント)はカードをきる、というわけです。 WILLsCoinの有効期限は1年間です。その間、追加のアクション(使う、貯まる)があれば、有効期限は伸びていきます。ですので、有効期限が切れないように株主優待ポイントをWILLsCoinへ合算し、欲しい商品(優待品)を狙うのもアリですね。ユーザーのなかには、百万単位で貯めていらっしゃる方もいます」