大学卒業式「心に響く学長の挨拶」はコレ! 会社ウォッチ編集部が独断で選ぶ珠玉の言葉の数々【1:平和への願い編】

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「『世界は、幸せか』と問い続け、応え続けていこう」

武蔵野大学 西本照真学長(公式サイト:学長あいさつより)
武蔵野大学 西本照真学長(公式サイト:学長あいさつより)

   武蔵野大学の西本照真学長は、式辞の大半をウクライナ危機に費やした。そして、仏教系の大学らしくブッダの平和主義の教えを説いた。

「『ブッダの真理のことば 感興のことば』(中村元訳、岩波文庫)「第10章 暴力」の一節には次のように述べられています。

すべての者は暴力におびえ、すべての者は死をおそれる。
己(おの)が身をひきくらべて、殺してはならぬ。殺さしめてはならぬ。
すべての者は暴力におびえる。すべての(生きもの)にとって生命は愛しい。
己が身にひきくらべて、殺してはならぬ。殺さしめてはならぬ。


自分自身の身に置き換えて考えれば、他者の生命を脅かし奪い去る暴力は容認することはできません」

   そして、こう呼びかけた。

「卒業式の晴れの場で、コロナや地震や戦争などの話をする必要があるのかと思われるかもしれませんが、皆さんは、『世界の幸せをカタチにする。』というブランドステートメントを掲げた武蔵野大学の卒業生として本日、この場に臨んでいます。そうであればこそ、このような状況をしっかりと見据えた上で、その解決を目指していく、ハピネス・クリエイターとしての志を胸に世界に巣立っていただきたいのです」

   西本照真学長は、最後、同大学の掲げるメッセージであり、キャンパス内にもポスターが張り巡らされているという「2050年のあなたへ。」を読み上げて、卒業生への餞(はなむけ)にした。

「2050年のあなたへ。
20歳の学生であるあなたが50歳になる、2050年。あなたを取り巻く世界は、どんな世界だろうか。
気候変動による異常気象、災害が頻発し、資源や食料を奪い合う国家間の紛争が多発し、あなたを含む、多くのいのちが危機を迎えている。今の私たちはそんな可能性を決して否定できずにいる。
人間が生きるということそのものが、動植物のいのちをいただくことで成り立っているように、生きとし生けるものが繋がっている世界。『自分さえよければ』が誰かから生じれば、その繋がりごと壊れてしまう。
(中略)困難はある。でも武蔵野で学んだ者はあきらめない。
『世界は、幸せか』と問い続け、応え続けていく。
私たちにはできる。
世界は、幸せか」

(福田和郎)

「心に響く学長の挨拶」シリーズ
▼大学卒業式「心に響く学長の挨拶」はコレ! 会社ウォッチ編集部が独断で選ぶ珠玉の言葉の数々【1:平和への願い編】
▼大学卒業式「心に響く学長の挨拶」はコレ! 会社ウォッチ編集部が独断で選ぶ珠玉の言葉の数々【2:とらわれない視点編】
▼大学卒業式「心に響く学長の挨拶」はコレ! 会社ウォッチ編集部が独断で選ぶ珠玉の言葉の数々【3:君たちはどう働くか編】
▼大学卒業式「心に響く学長の挨拶」はコレ! 会社ウォッチ編集部が独断で選ぶ珠玉の言葉の数々【4:人生に哲学を持とう編】

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