「塾」は合格だけが必要なのか? いや、その先にある「自己実現のための学び」教えたい 全教研 堀口宏吉社長の「信念」

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大人たちへのメッセージでもある「多様性の時代に大切なのは学び続けること」

全教研60周年記念CMのワンシーン
全教研60周年記念CMのワンシーン
「ものすごいスピードで時代が変わっていく。ひとりひとりの価値観も学ぶ目的だってさまざまだ。ルールだから、みんなやってるから、常識と言われてきたことに意味はない。だから答えはいくつあってもいい。多様性の時代に大切なのは学び続けること」

   これは、全教研60周年のCMで語られているメッセージだ。そして実は、大人たちへのメッセージでもあるという。子どもたちが変わるためには、大人たちがまずは多様性を認めて子どもたちの環境を変えていく必要がある、という思いが込められている。

   今の社会で必要なものを反映して常にアップデートしながら受け入れていく――。こうした考え方は、堀口さん自身が子どもたちを現場で見て感じていたことであり、合格させることだけがゴールではなく、その先にあるその子の社会生活までを意識した目線そのものかもしれない。

   今の社会に見合った教育を常に目指す堀口さんは、これからの時代、学習塾もロボットのように勉強だけを教えるのではなく、子どもたちが自分たちの目から届かないところ(社会に出る)にいっても活躍できるように、イマジネーションしながら教育に取り組むことがもっともっと大事になってくる、と考えている。

   堀口さんは全教研の役割として、大人が大人として子どもを360度しっかりと見て、子どもの可能性を広げていく場所にしていきたい、と話す。子ども自身が気づいていない、自分のいいところや可能性、魅力を最大限に引き出してサポートする。そして、勉強を通して何かに打ち込むこと、夢中になることの大切さを今後も伝えていく。そのためには、デジタルな時代であっても、子どもたちとリアルに向き合って教育に取り組むことが重要なのである。

   堀口さんがゴールとしている場所は、志望校合格だけでなく、そのさらに先にある「しっかりとした大人に育てる」ことだ。だからこそ、勉強という手段を通じて子どもの未来の可能性を大きく広げる場所であり続けたい、堀口さんと全教研はそう信じている。

(徳岡達也)

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