業績順位の入れ替わり激しい大手商社
大手商社は近年、業績(最終利益)の順位の入れ替わりが激しくなっている。2021年3月期は、伊藤忠が前年首位の三菱商事に代わって5年ぶりに首位となった。
食料やIT関連など「非資源」に強い伊藤忠に対し、2022年3月期は三菱商事や三井物産が資源高を背景に収益を改善。最新の最終利益予想では伊藤忠、三菱商事の8200億円に対し、三井物産が8400億円と頭一つ抜け出す格好となっている。
もっとも、当然ながらウクライナ紛争による資源高の行方は不透明だ。欧州各国が脱ロシアの動きを強めて資源価格のさらなる上昇を呼ぶかもしれないが、なかなか見通しがたい。また、上場来高値水準まで株価が切り上がってくると、ちょっとしたマイナス材料で調整局面を招く可能性もある。そのあたりに注意が必要と言えそうだ。(ジャーナリスト 済田経夫)