きょうは50代のIさんがいらっしゃっています。
「毎日、何かしらのサイトで『働かないおじさん』についての記事を目にします。私も50代なので、『負けてられない』という気持ちで仕事をしていますが、正直、若い頃に比べると体力、気力は劣ってきているため、自分の働き方についての不安もついてくる状態です。50代で挑戦するために必要なことって何でしょう・・・。」
チャレンジするためには、属人化している仕事は減らしていく
ある業務の進め方や内容などを、特定の担当者しか把握していない状況を「属人化」と言います。属人化している仕事を担当することは、専門的な知識やスキルを活かして仕事ができるという点ではメリットといえます。でも、現状の仕事を続けているだけでは、新しい分野にチャレンジしているとは言い難いのではないでしょうか。また、属人化している仕事は、場合によっては手間がかかり、負担が大きくなることもあります。
手間がかかり負担が大きい仕事は、若い頃と同じ働き方では身が持たない可能性もありますよね。そこで、自分の手間を少なくして部下に引き継ぎ、極力自らが動いていくことを減らしていくことがおすすめです。自分の仕事を引き継ぐことに対して、「自分のポジション」を手放すこわさが出てくると思いますが、新たなことにチャレンジしていくためには必要なことなのではないでしょうか。その場に留まっていたら、成長も止まってしまいますよね。
仕事がなくなる危機感ではなく、人に力を借りるという気持ちで
何か新しい仕事に挑戦したいと思ったものの、実際には今の仕事で予定がぎっしりで、新しいことを取り入れる余裕がない、という方もいるかもしれません。そこで、人に任せられる仕事に対しては、どんどん人の力を借りよう! という気持ちで部下に頼ってみましょう。
自分一人でできる仕事や量は限られてしまうため、人の力を借りることが大事です。部下も任せられることによって、責任感が生まれたり仕事の幅が広がったりするメリットがあります。そして、任せた側も別の大事な仕事に注力でき、新しいチャンスに挑戦できるようになりますよね。「自分しかできないこと・仕事」という考えに固執していると、新しいチャンスを逃してしまう可能性があります。
人の力を借りることで、自分も成長できる!
部下に自分の仕事を任せたことによって、これまでよりも仕事の効率が良くなったり、業績が上がったりすることもあるでしょう。また、部下の優れたスキルを活かしていくことは、部下の成長や組織の成長にもつながっていきますよね。
一方で、自分の立場を守りたい気持ちが出てくることもあるでしょう。
しかしながら、本来の上司としての役割は部下育成することです。部下が立派に育ったことを誇らしく感じていいと思います。自分とは違ったやり方で仕事を進める部下や挑戦をしている部下の姿を見ることで、上司としても学べることがたくさんあるのではないでしょうか。人の力を借りることで部下育成の能力が高まり、自分自身の成長につながっていくとも言えるでしょう。Iさんの「負けられない」という気持ちももちろん大事ですが、部下に「頼ってみよう」という気持ちも同時に持ってみてはいかがでしょうか。
ビジネス環境の変化が激しい時代には、今までの経験によって身についたパターン認識は役に立たなくなってきています。そこで、新たな学びも必要ですし、これまでにない発想を部下から引き出していくことも大切です。一人ではできることも限られます。新たな分野にチャレンジするには人に頼って目的を果たしていくことが体力、気力面においても効率がいいことだと思います。
(ひろ子ママ)