3年ぶりのモーターサイクルショー 国内バイク4社、「伝統と革新」をライダーに訴える

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   オートバイの祭典「モーターサイクルショー 2022」が、大阪、東京、名古屋で2022年3月19日から4月10日にかけて、開催されている。

   東京と大阪のモーターサイクルショーは2020年と21年が新型コロナウイルスの感染拡大で中止となっており、今回が3年ぶりの開催となった。名古屋での開催は初めてだ。それだけにモーターサイクルファンの期待は高い。今年の各メーカーの注目ポイントは何だろうか――。

  • 3年ぶりに「モーターサイクルショー」が開催(画像は、ホンダの新型ロードスポーツモデル「HAWK 11」 ニュースリリースより)
    3年ぶりに「モーターサイクルショー」が開催(画像は、ホンダの新型ロードスポーツモデル「HAWK 11」 ニュースリリースより)
  • 3年ぶりに「モーターサイクルショー」が開催(画像は、ホンダの新型ロードスポーツモデル「HAWK 11」 ニュースリリースより)

「HAWK 11」と「ダックス125」 ホンダが世界初公開

   「第38回 大阪モーターサイクルショー」は3月19日から21日まで、インデックス大阪(大阪市住之江区)で開催。「第49回 東京モーターサイクルショー」は3月25日から27日まで、東京ビッグサイト(東京都江東区)、「第1回 名古屋モーターサイクルショー」は4月8日から10日まで、愛知県国際展示場(同県常滑市)で開かれる。

   ホンダは世界初公開となる2機種を含む、合計37台のバイクやスクーターを出展する。

   世界初公開は、大型オンロード・スポーツバイク「HAWK 11(ホーク・イレブン)」と新型レジャーバイク「ダックス125」だ。いずれも50代以上のライダーなら「懐かしさ」を感じる魅力的なネーミングだろう。

   「HAWK(ホーク)」とは、ホンダが1970年代から80年代にかけ、生産・販売した排気量400ccや250ccのオンロード・スポーツバイクだ。78年発売の「CB400T HAWK-Ⅱ」などが代表格で、50代以上なら「教習所のバイクがHAWK-Ⅱだった」というライダーも多いだろう。

   HAWK 11は往年の「HAWK」の名を踏襲しており、「経験豊かな日本のベテランライダーのバイクライフを、より充実したものにしていただくための提案として開発した」という。

   往年のHAWKシリーズとは異なるFRP製ロケットカウルが特徴で、「エンジンの鼓動と排気音を存分に感じながらワインディングなどでの操る楽しみを提供する」という。「11」の数字から連想されるように、排気量は1082ccの水冷OHC直列2気筒、6速マニュアルミッションのビッグバイクとなる。

   ダックス125もホンダを代表する「ダックスホンダ」の最新モデルで、伝統的なダックスのスタイルや乗り心地を「現代の技術で再構築した」という。世界初公開のHAWK 11とダックス125は、いずれも市販を予定しており、今後の発売が楽しみだ。

   このほか、ホンダはビジネス用電動スクーター「Honda e:ビジネスバイクシリーズ」とバッテリー交換ステーションを展示するなど、二輪車の電動化にも注力している。それでも会場でファンの関心を集めるのは、HAWK 11などスポーツバイクであり、ダックス125や「スーパーカブ110」など、ホンダの伝統を引き継いだ「懐かしくも新しい」レジャーバイクだろう。

伝統と時代の変化や要請に合わせたニューモデル

   スズキは「バイク旅」が出展テーマ。2月に発売した「GSX-S1000GT」や「Hayabusa(ハヤブサ)」など最新のオンロード・スポーツのほか、2022年のMotoGP参戦マシン「GSX-RR」や21年の世界耐久選手権優勝車「GSX-R1000R」などを展示する。

   GSX-S1000GTはGTの呼称からも明らかなとおり、スズキのオンロード・スポーツを代表するグランドツアラーで、ウインドスクリーンなど空力特性を重視。「高速走行時の風圧や寒冷時の風、雨などによるライダーの負担を軽減する」という。

   ヤマハ発動機は2月発売のオンロード・スポーツ「YZF-R7」のほか、クラシックなスタイルと最新の技術を融合させたネオ・クラシックバイク「XSR700」(4月発売予定)などが人気だ。ヤマハは生産を終了した「SR400」の後継ともいえるネオ・クラシックバイク「XSR900」を20年2月に発売し、このカテゴリーを「スポーツヘリテージ」と呼び、商品を強化している。

   カワサキは、旗艦モデルの「Ninja H2 SX SE」のほか、「Z900RS」「Z650RS」「Z900」の50周年記念モデルを出展している。いずれもカワサキを代表する人気の伝統モデルだ。このほか、カワサキモータースジャパンが21年末から日本総輸入元として販売を始めたイタリアの高級バイク「ビモータ」の最新モデル「KB4」も展示する。

   ホンダ、スズキ、ヤマハ、カワサキの4社は、いずれも自社の伝統を引き継ぎながら、時代の変化や要請に合わせたニューモデルを展示している。1980~90年代に青春時代を過ごした50代以上の「リターンライダー」をターゲットにしているとみられるが、若者からシニアまで幅広いライダーを楽しませる内容となっている。(ジャーナリスト 岩城諒)

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