伝統と時代の変化や要請に合わせたニューモデル
スズキは「バイク旅」が出展テーマ。2月に発売した「GSX-S1000GT」や「Hayabusa(ハヤブサ)」など最新のオンロード・スポーツのほか、2022年のMotoGP参戦マシン「GSX-RR」や21年の世界耐久選手権優勝車「GSX-R1000R」などを展示する。
GSX-S1000GTはGTの呼称からも明らかなとおり、スズキのオンロード・スポーツを代表するグランドツアラーで、ウインドスクリーンなど空力特性を重視。「高速走行時の風圧や寒冷時の風、雨などによるライダーの負担を軽減する」という。
ヤマハ発動機は2月発売のオンロード・スポーツ「YZF-R7」のほか、クラシックなスタイルと最新の技術を融合させたネオ・クラシックバイク「XSR700」(4月発売予定)などが人気だ。ヤマハは生産を終了した「SR400」の後継ともいえるネオ・クラシックバイク「XSR900」を20年2月に発売し、このカテゴリーを「スポーツヘリテージ」と呼び、商品を強化している。
カワサキは、旗艦モデルの「Ninja H2 SX SE」のほか、「Z900RS」「Z650RS」「Z900」の50周年記念モデルを出展している。いずれもカワサキを代表する人気の伝統モデルだ。このほか、カワサキモータースジャパンが21年末から日本総輸入元として販売を始めたイタリアの高級バイク「ビモータ」の最新モデル「KB4」も展示する。
ホンダ、スズキ、ヤマハ、カワサキの4社は、いずれも自社の伝統を引き継ぎながら、時代の変化や要請に合わせたニューモデルを展示している。1980~90年代に青春時代を過ごした50代以上の「リターンライダー」をターゲットにしているとみられるが、若者からシニアまで幅広いライダーを楽しませる内容となっている。(ジャーナリスト 岩城諒)