コンサルが人気の早慶、ITに注目が集まるMARCH
さて、早稲田・慶應とMARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)の両ランキングはどうだろうか。まず、MARCHのランキングを見ると、富士通や楽天グループ、エヌ・ティ・ティ・データ、サイバーエージェントなどIT大手がランクインしたことが目立つ。
また、早稲田・慶應のランキングでは、PwCコンサルティングやアクセンチュア、アビームコンサルティングといったコンサルティング会社が多くランクイン。東大・京大と同様、ここでもコンサルティング会社の強さが表れている=図表2参照。
それぞれの企業の魅力を口コミから探ると――。
楽天グループ「サービス数が多く、社内でのオープンポジションも利用できるため、多くの経験ができると思う。部署、サービスにより開発スタイルも大きく変わるため、社内においても転職に近い異動ができる。また、希望もよく聞いてもらえる印象。英語を使う機会が多いため、英語能力を活かしたい、英語を勉強したい、という思いがある人にもよいのではないか」(開発、女性)
サイバーエージェント「キャリアに悩んだりした際に上長・同僚に率直に相談できる文化がある。その際、ただのガス抜きだけではなく、次のチャレンジの打診 や、現状の部署でできる違う取り組みなどをセットで打診してくれる。前向きなチャレンジであれば、基本的に称賛を惜しまない。部署異動願いを出した際、応援してくれることが多く、チームサイバーエージェントという価値観が浸透している。長く働けるベンチャー企業という観点では申し分ない」(広告営業、男性)
PwCコンサルティング「クライアントの重要な意思決定に携わることができる。カウンターパートは主任や課長、部長レベルの方となるため、社会人なりたての 人間は学びが多い。一人一人にコーチが付くため、自身のキャリア形成の相談をする環境は整っている。所属部署で自身が望む専門性を身につけることが難しいと感じれば、所属部門を変えることも可能であり、キャリア開発を会社が支援する環境は整っていると思う」(コンサルタント、男性)
デロイト トーマツ・コンサルティング「新卒研修後すぐにプロジェクトに配属され、一通りのビジネススキルをOJT(職場内訓練)で学ぶ。他のファームと異なり、育てる文化が根付いているため、無理なく成長できる。そしてクライアントもわが社を評価してくれることが多いので、やりがいがある。育成制度はしっかりしている。他社より研修やフォローアップが手厚いと思う」(コンサルタント、女性)
若手を育てる環境が整っていることも大事な要素のようだ。
調査は、OpenWorkに登録している2023年卒業予定の学生ユーザー約13万6000人の中から対象大学を限定して集計した。内訳は東京大学(2486人)、京都大学(1704人)、早稲田大学(4783人)、慶應義塾大学(4013人)、MARCH(明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学、合計1万2422人)。
(福田和郎)