「さらば、ガラケー!」auの3G回線は今月末終了...他社も数年内に でも、「終焉の時」知らないユーザー3割以上!

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「さらば、愛しきガラケーよ!」

   KDDI(au)が2022年3月31日に、「ガラケー」と呼ばれる旧来型携帯電話に使われている通信規格「3G」回線のサービスを終了する。ほかの携帯電話大手も2~4年後に終了する予定だ。

   しかし、シニア層を中心にしたガラケー利用者の3割以上が「3G」終了時期を知らない、という調査もある。「ガラケー終焉の時」を根強いファンたちは無事迎えられるのだろうか。

  • ガラケーが使えなくなる?(写真はイメージ)
    ガラケーが使えなくなる?(写真はイメージ)
  • ガラケーが使えなくなる?(写真はイメージ)

まだ2000万人が使っているガラケー

   携帯電話は、スマートフォンが主流となったとはいえ、操作が簡単なガラケーはシニア層を中心に根強いファンがいる。総務省が3月18日に発表した調査によると、ガラケーに使われている通信規格「3G」回線の契約数は昨年(2021年)12月末時点で2074万件に上っている。

   しかし、現在の主流である「4G」の次世代となる高速・大容量の通信規格「5G」の契約数が3642万件に達した。現在、携帯電話大手各社は「5G」のエリア拡大に力を入れており、「3G」の維持を続けることはコストや管理の負担が重くなっているのが現状だ。

   このため、KDDI(au)は3月31日に「3G」回線のサービスを終了する。4月1日になると、「3G」端末を使う契約者は自動的に解約され、電話やデータ通信ができなくなる。期限が迫るなか、KDDIは、携帯電話を継続利用したい人は早期に機種変更するよう呼びかけている。

   ただ、ガラケーがすべて使えなくなるわけではない。「4G」に対応したガラケーなら使える。しかし、「4G」に対応したガラケーでも、音声通話に「3G」を使用するタイプは使えなくなるなど、ややこしいので注意が必要だ。また、ガラケーの根強い人気を支えていた「折り畳み式」と「テンキーや十字キー」といった外観を維持しながら、スマートフォン機能を持つタイプ(通称、ガラホ)に機種変更をする方法もある。

   他の携帯電話大手でも、ソフトバンクが2024年1月下旬に「3G」回線のサービス終了を予定。NTTドコモも2026年3月末にサービスを終える。「さらば、ガラケー!」の時期が刻々と迫っていることをシニア層はどのくらい知っているのだろうか。

60代で5.5%、70代で8.8%がガラケーユーザー

   参考になるのが、モバイル市場の専門調査機関「MMD研究所」が2022年3月8日に発表した「2022年シニアの3Gサービス終了に関する実態調査」だ。

   モバイル端末を持つ60歳~79歳の男女1万人に聞いた調査だが、それによると、メインで利用している端末は、60代では「スマートフォン」(91.4%)、「フィーチャーフォン(ガラケー)」(5.5%)、「ガラホ」(3.0%)。70代では「スマートフォン」(86.4%)、「フィーチャーフォン(ガラケー)」(8.8%)、「ガラホ」(4.8%)いう結果だった=図表1参照。70代では1割近くがガラケーを愛用しているのだ。

(図表1)シニア世代がメインで使っているモバイル端末は?(MMD研究所の作成)
(図表1)シニア世代がメインで使っているモバイル端末は?(MMD研究所の作成)

   興味深いのは、ガラケー利用者の16.1%が3Gサービス終了を「知らない」と回答したこと。また、「知っている」と答えた人に、実際に自分が利用している通信キャリアの3Gサービス終了時期を聞くと、34.4%が「知らない」と答えた。いずれ3Gサービスが終わること自体は知っていても、自分のガラケーがいつ使えなくなるかを知らない人がけっこう多いのだ=図表2参照

(図表2)「3G」終了時期を正しく知らない人が多すぎ!(MMD研究所の作成)
(図表2)「3G」終了時期を正しく知らない人が多すぎ!(MMD研究所の作成)

   そのうえ、さらに驚いたことに、自分のガラケーの3Gサービス終了時期を「知っている」と答えた人に、「何年に終了するか?」と改めて時期を問い直すと、なんと33.9%が「不正解」だった!=再び図表2参照

   というわけで、自分のガラケーがいつ利用できなくなるかを正しく知っている人は、利用者全体の36.3%しかいなかった。「ガラケー終焉の日」に大混乱が起きそうな予感がする調査結果だ。

家族がいると、機種変更しやすいが...

   いったい、どうなるのだろうか。ヤフーニュースのヤフコメ欄ではこんな意見があった。

ガラケーからスマホに替えたという人も(写真はイメージ)
ガラケーからスマホに替えたという人も(写真はイメージ)
「私が契約して両親に持たせている携帯電話には、去年から頻繁に3G回線終了の案内の電話がかかってきていたし(出ないので留守電にメッセージが残る)、Cメールにもメッセージが届いていたし、契約者の私の所には葉書や封書等書面での案内が何度も届いた。あれだけ頻繁にキャリア側から案内があるのに知らないという人は、本当は携帯電話が必要ないのでは?と思う」
「頑固な父親が先日ガラケーからスマホに替えました。何度も郵便で通達がきて、最後は電話をかけるたびにauからのガイダンス音声が流れるので観念したそう。ガラケーが使いやすいと言っていたのでサービスを継続してほしかったなと思う一方、(中略)店舗スタッフの苦労も大きいと思います。お疲れ様です」

   一方で、とくに高齢者だけで生活している場合は、機種変更しにくい事情もあるだろう。こんな意見も少なくない。

「高齢者は使えなくなることを知っていても、どうしたらいいかわからなくて、携帯ショップも予約の仕方が分からないとかで八方塞がりになっているのかも。(中略)家族がいる人は恵まれているのでしょうね」
「いろんな詐欺だとかも横行しているこの世の中、Cメールでくるダイレクトメールなんか読みませんよ。キャリアを名乗る詐欺も多いです」

「ガラケーは持ちやすくて操作も簡単で最高」

   一方で、スマホに替えてよかったという人からはこんな声が。

スマホに換えてよかった~、という人も(写真はイメージ)
スマホに換えてよかった~、という人も(写真はイメージ)
「90手前の祖母はiPhoneを使っています。本体は孫のお古、ガラケーからの移行プランでデータ3GB、5分までの通話無料で月額2000円ほど。LINEで気軽にやり取りできて喜んでいます。ひ孫をビデオ通話で見られるのが特にいいみたいで」
「私名義で義母が契約しました。ガラホかスマホか悩みました。本人は『スマホなんて無理』『皆難しいと言っている』など不安だったようですが、強制的に格安スマホ&ガラケーの2台持ちにしました」「今までは手書きのメモをメールに入力し直していましたが、写真をLINE送信で、楽になったようです。新聞社、市町村から定期的にLINEが届くのも楽しみなようです」

   また、根強いガラケーファンからは、4Gガラケーを断固持ち続けるという決意表明も。

「業務用にはセキュリティーの問題や耐久性の観点からガラケーを利用している人は多いよ。建築現場など、ホコリや水などが多い現場にスマホは向かない。日向(ひなた)だと液晶は見づらいし、手袋していると画面を押せないしね」
「実家の母親はこれまでガラケーを使っていましたが、auからかなり前から説明があったようで、(3G終了を)本人は知っていました。自宅から一部の親族へ電話する以外に使っていないようで、今後は家電を使うのであまり影響なさそうです」
「両親が3Gガラケーから4Gガラケーに機種変更した。ショップはかなりしつこくスマホを勧めてきたけど、ガラケーすら電話とメールとアラームしか使わない両親にはスマホなんて不要。父にはサブでスマホを持たせたことがあるけど、全然使いこなせないまま1年で解約した。今でも、ガラケーは持ちやすくて操作も簡単で最高と言っている」

(福田和郎)

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