「資源価格の高騰が続けば、日本経済は記録的な物価上昇局面」
ところが、年収300万円未満世帯では、「シナリオ1」でプラス1.9%ポイント、「シナリオ2」でプラス2.1%ポイントの増加となり、どちらのシナリオでも低所得世帯ほど、相対的に負担が重くなるのだ。もし、「激変緩和事業」がなければ、負担はさらに1万円~1.5万円増大する計算だ。
2014年に消費税が5%から8%に3%引き上げられた際、低所得世帯の負担率がプラス2.4%ポイント高まった。ロシアからの資源輸出が停止する「シナリオ2」のケースでは、消費増税3%に匹敵する打撃を低所得世帯に与えるというわけだ。
みずほリサーチ&テクノロジーズの南氏と嶋中氏は、こう結んでいる。
「25円程度のガソリン価格引き下げでは、物価上昇を完全に抑制することは出来ない」「低所得者への給付措置など、さらなる家計支援策が講じられる可能性高いとみている」「仮に資源価格の高騰が続けば、日本経済は記録的な物価上昇局面を迎えることになる。厳しい経済状況に置かれる懸念がある家計に対し、きめ細かな対策が求められる」
とくに厳しい状況に置かれる低所得世帯への積極的な対策を訴えたのだった。
(福田和郎)