「投資収入」と「実家の会社の役員報酬」をあわせると、夫と同じくらいの年収を得ている「主婦」の投稿が炎上している。
投稿者の主張は「同程度の稼ぎがあっても、やはり家にいる妻が家事の大部分を負担すべきでしょうか」というものだ。
夫婦には2人の子どもがいるが、夫はまったく家事育児を手伝わない。女性がたまに家事代行を頼むと、イヤミを言われてしまい...。家事負担の「不公平」を訴えている。
「投資や役員報酬があっても、家にいる主婦のあなたが家事をするべき」VS「共働きに近い状況だから、夫も平等に家事を担うべき」と賛否激論だ。専門家の裁定は?
「なし崩し的に家事育児が妻の役割となる家庭は6割」
<投資と実家の役員報酬得る「主婦」の悩み「稼ぎは夫と同程度...夫も家事負担してほしい」 投稿が炎上、専門家の裁定は(1)>の続きです。
――今回の論争はいろいろな問題を含んでいます。まず、夫婦間家事の分担のあり方ですが、「時間があるほうがやるべきか」「収入に応じてやるべきか」「主婦だからやるべきだ」などさまざまな論点がありました。
川上さんが研究顧問をされている働く主婦層の実態調査機関の「しゅふJOB総研」で今回のテーマに即した調査をされたことがありますか?
川上敬太郎さん「仕事と家庭の両立を希望する主婦層に、『日々の生活の中で、家事や育児のワンオペ状態を経験したことがありますか』と尋ねたことがあります。ワンオペとはワンオペレーションの略で、家事や育児を1人ですべて行うことを指します。
◇働く主婦に聞く、家事や育児のワンオペ
その結果、ワンオペ経験者は7割に及びました。さらに、ワンオペ経験者を対象に、ワンオペ状態になった理由を聞くと、『家族で話し合うことなく自分の役割になった』と回答した人が6割近くでした。一方、自ら望んだ人は2%、話し合った結果だという人は4%に過ぎません。
つまり、話し合いすら行わず、なし崩し的に家事育児が妻の役割になっているご家庭が圧倒的に多いということです。そもそも『時間がある方が』とか、『収入に応じて』などと議論することすらないご家庭の方が多いのだと思います」