ダークホース「インド」がロシアの救世主に?
中国だけでなく、インドもロシア支援に動くのではないかと指摘するのが、野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏だ。
リポート「SWIFT制裁で始まる中露・印露の国際決済協力」(3月22日付)で、英紙フィナンシャル・タイムズ紙の報道などを引用してこう述べた。
「(フィナンシャル・タイムズ紙は)インドの中央銀行がインド・ルピーとロシア・ルーブルを使った貿易決済制度について検討を始めたと3月18日に報じた。それが実現すれば、欧米諸国が制裁でロシアによる国際決済メカニズムの利用を制限した後も、対ロ貿易を継続することが可能になる」
具体的仕組みは明らかではないが、ロシアの中央銀行とインドの中央銀行とが、お互いに持ち合っている他国通貨の口座を使って、ルーブルとルピーの交換を担い、民間の貿易決済を助ける仕組みなどが考えられるという。インド中央銀行は1992年まで、ルピーとルーブルの交換制度を運営していたのだ。
木内氏は、こう結んでいる。
「インドは、歴史的にロシアとの関係が深く、武器や原油などを輸入している。そのため、ウクライナ紛争においても、インドは中立姿勢を保っているのである。米政府関係者の意に反して、インドはロシアによるウクライナ侵攻を非難する国連決議の採決を棄権している」