戦後、北海道発で豆本ブームに!
「豆本」を説明しておくと、文字通り、小さなサイズの本ということになる。もっとも、その歴史は古い。
西洋では16世紀ごろからミニチュア・ブックが作られ始め、聖書など持ち歩き用の宗教書がメインだったという。日本では江戸時代後期から。女性・子供向けの娯楽本やお雛様の段飾りの中にある小さな絵本「雛絵本」、旅先などで袖に入れて持ち歩き読める小型本「袖珍本」などが作られていた。
豆本史に新たなページを開いたのは戦後、昭和28年(1953年)北海道の愛書家たちによって「ゑぞまめほん」が作られる。この本がきっかけとなり、豆本ブームが北から全国に波及した。各地域で豆本が刊行され、会員同士での交流が盛んに行われた。一般の本のように大量生産はできないが、一冊一冊に工夫が凝らされ、豆本専門の出版社の手仕事が光る、美しくユニークな本が多く作られた。