手のひらに収まる小さな「美術品」って何?! 神保町初!女性店主ほれ込んだ「豆本」専門店【Vol.27 呂古書房】

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戦後、北海道発で豆本ブームに!

   「豆本」を説明しておくと、文字通り、小さなサイズの本ということになる。もっとも、その歴史は古い。

   西洋では16世紀ごろからミニチュア・ブックが作られ始め、聖書など持ち歩き用の宗教書がメインだったという。日本では江戸時代後期から。女性・子供向けの娯楽本やお雛様の段飾りの中にある小さな絵本「雛絵本」、旅先などで袖に入れて持ち歩き読める小型本「袖珍本」などが作られていた。

   豆本史に新たなページを開いたのは戦後、昭和28年(1953年)北海道の愛書家たちによって「ゑぞまめほん」が作られる。この本がきっかけとなり、豆本ブームが北から全国に波及した。各地域で豆本が刊行され、会員同士での交流が盛んに行われた。一般の本のように大量生産はできないが、一冊一冊に工夫が凝らされ、豆本専門の出版社の手仕事が光る、美しくユニークな本が多く作られた。

小さな豆本の世界は広くて深い
小さな豆本の世界は広くて深い
豆本が陳列された棚は眺めているだけでワクワクする
豆本が陳列された棚は眺めているだけでワクワクする
なかざわ とも
なかざわ とも
イラストレーター
2016年3月学習院大学文学部卒。セツモードセミナーを経て桑沢デザイン研究所に入学、18年3月卒業。趣味は、宝塚歌劇団、落語、深夜ラジオ、旅行。学生時代より神保町に惹かれ、現在フリーペーパー「おさんぽ神保町」の表紙や本文のイラストを手掛けている。1994年、東京都生まれ。
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