ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続くなか、ウクライナのへの注目度が日に日に高まっています。国民と共に戦う姿勢を崩さず、SNSを駆使して連日のように熱いメッセージで国民を鼓舞するウクライナのゼレンスキー大統領。ウクライナ侵攻前は31%にまで落ち込んでいた支持率が91%にまで跳ね上がったという報道にも納得です。
マクロン仏大統領が突然「ゼレンスキールック」に!?
2019年4月にウクライナの大統領に当選したゼレンスキー氏。就任前は政治経験ゼロの人気コメディー俳優だったことは広く知られていますが、ロシア軍のウクライナ侵攻を受けて、突如、戦時下のリーダーとしての姿を世界に示しています。米ニューヨークタイムズ紙や英BBC放送などの老舗メディアも「時の人」「国民のヒーロー」と書き立てています。
Ukraine's Volodymyr Zelensky: The comedian president who is rising to the moment
(ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー、コメディアン出身の大統領が時の人に:英BBC放送)
How president Zelensky become a national hero
(ゼレンスキー大統領、どうやって国民のヒーローになったのか:米ニューヨークタイムズ紙)
じつは、ロシアがウクライナに侵攻する前は、ゼレンスキー大統領の評価は決して高いものではありませんでした。就任当初は70%を超えていた国内支持率も2021年12月には31%に落ち込んでいましたし、ロシアの侵攻が近いという英米の警告に対しても「過剰反応だ」と批判したことから、他国から「違和感を示されていた」と報じられています。
そんな「前評判」がウソのように、「convincing war leader」(自信に満ちた戦時のリーダー:英BBC放送)となったゼレンスキー氏ですが、影響を受けているのはウクライナ国民だけではありません。
世界のリーダーにとってもゼレンスキー氏は特別な存在になっているようで、「伊達男」で有名なフランスのマクロン大統領が、急に「ゼレンスキー大統領に変身」して、世間をあっと驚かせました。
Mr. Macron try and reboot his image ? le Zelensky
(マクロン氏、ゼレンスキー風にイメージチェンジ:米メディア)
reboot:再起動する
物議を醸しているのは、マクロン氏がSNSにアップした執務中のファッションです。黒のパーカーにジーンズ姿といったカジュアルな装いに、無精ひげと、やや乱れたヘアスタイル。いつもパリッとしたスーツ姿と一糸乱れぬヘアスタイルで決めているマクロン氏とはまるで別人で、思わず我が目を疑ってしまったほどの「変身ぶり」でした。
報道によると、大統領選を控えたマクロン氏が、ゼレンスキー氏の人気にあやかりたいとの思惑で「カジュアルルック」を披露したとの見立てが主流ですが、米メディアは「ゼレンスキー氏は戦時下のリーダーに見えるが、マクロン氏はIT企業の従業員のようだ」と。マクロン氏の「ゼレンスキールック」作戦は失敗に終わったようです。