中国が「第3のリスク」に! 自国製ワクチン信じない「ロックダウン」は世界経済のアダ? 

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「ゼロコロナ」は自国製ワクチンを信用しないから?

   ところで、欧米や日本では「新型コロナとの共存」の動きが広がり、規制解除に舵を切るところが多いのに、なぜ中国は経済活動の妨げになるロックダウンといった厳しい政策をとるだろうか。

中国でオミクロン株の感染が急拡大(写真はイメージ)
中国でオミクロン株の感染が急拡大(写真はイメージ)

   「中国政府が自国製のワクチンを信用していないのではないか」と疑問を投げかけるのは、野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏だ。木内氏のリポート「中国ロックダウンの衝撃」(3月16日付)のなかで、人口の約9割がワクチン接種を済ませているが、80歳以上の接種完了者は約半分で、重症化しやすい高齢者のワクチン未接種者が多いといった事情があると指摘する。

   また、木内氏は米ウォールストリート・ジャーナル紙の記事を引用しつつ、こう述べる。

「同紙は、中国では、オミクロン株に対する防御力が低いワクチンが接種されていることが、欧米諸国のようにコロナとの共存を模索するのではなく、強い規制を導入せざるを得ない理由になっていると指摘する」

   中国で最も普及しているワクチンは、国内企業のシノファームとシノバック・バイオテックが開発したものだ。不活化ウイルスが使用されており、モデルナ、ファイザーのワクチンに比べ、「オミクロン株感染に対する効果が劣る」と考えられている。このため、「中国がゼロコロナ戦略を放棄してしまえば、死者の急増に直面する可能性が高い」というわけだ。

   そして木内氏は、「中国のゼロコロナ政策、ロックダウンが長引けば、2022年上期の中国の成長率は前期比でほぼゼロ%成長となり、2022年年間の中国の成長率が4%台を割り込む可能性も出てきた」と結んでいる。

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