アップルなど米国ハイテク企業にも打撃
野村アセットマネジメントのシニア・ストラテジスト石黒英之氏も、リポート「中国のコロナ感染拡大が及ぼすリスクとは」(3月15日付)のなかで、とくに深セン市のロックダウンが中国経済、そして世界経済に多大な影響を与えると指摘した。
「仮に(深セン市の)封鎖が長引けば、同市が位置する広東省の経済に打撃を与えるとみられます。同省は中国全体のGDP(国内総生産)の11%(約2兆米ドル)を占めており、韓国と同等の経済規模を誇ります。同省の2021年の輸出額は中国全体の23%を占めていることから、世界経済への影響が警戒されます」
また、アメリカのIT大手にも大きな影響を与えるとした。
「台湾の鴻海精密工業も米アップルなどのスマートフォンを手掛ける深セン工場の稼働を一時停止しました」「中国の供給網の混乱が世界の企業に悪影響を及ぼすリスクがあります」「都市封鎖が長期化することとなれば、米アップルなど米国のハイテク企業の業績にも打撃を与える」として、「当面は中国のコロナ新規感染者数や都市封鎖の動向を慎重に見極める必要がありそうです」と結んだ。