年金受給者一律5000円給付案に怒りの声! 選挙で高齢者の「反乱」怖い?

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   「高齢有権者の買収」「年寄りによる年寄りのためのシルバー民主主義」......インターネット上では「怒りの声」が相次いだ。

   これは2022年3月15日、政府与党内に急浮上した「年金受給者に一律5000円の臨時給付金」を支給する案のことだ。

   いったいどういうことか。専門家の見方をまとめると――。

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公的年金の支給額、2022年度はマイナス改定

   報道によれば、年金生活者に一律5000円の「臨時給付金」を支給する案が政府と与党内に急浮上したのは2022年3月15日のことだった。

   参議院選挙を今夏に控えるなか、新型コロナウイルスによる経済の悪影響に加え、ロシアのウクライナ侵攻による原油と小麦価格高騰などで物価が急上昇している。自民・公明の与党内では、新たな「バラマキ」による経済対策を求める声が高まっていた。

年金生活のお年寄り2600万人に5000円配るというが...(写真はイメージ)
年金生活のお年寄り2600万人に5000円配るというが...(写真はイメージ)

   そこで3月15日、自民党の茂木敏充、公明党の石井啓一両幹事長が首相官邸で岸田文雄首相と会談。新型コロナの影響が長期化するなかで、年金生活者を支援する「臨時特別給付金」の支給を要請したのだった。

   公的年金の支給額は、物価と賃金変動を考慮し毎年改定する。賃金が下がれば連動して減る仕組みで、2022年度はマイナス改定となり、6月に受け取る4月分から減額される。こうしたこともあって、自公両党側では給付金の支給額を「新型コロナの影響による賃金低下が与える影響を払拭する水準」で要望したのだった。これに岸田首相は「しっかり受け止めて検討したい」と述べたとの話も伝わっている。

   いったい誰に、いくら給付するのか。対象は、所得が低い住民税非課税世帯向けの10万円給付を受け取った人を除く高齢者や障害・遺族年金の受給者で、1人あたり5000円とする案が有力視されている。財源には2021年度予算の予備費をあてる。両党幹部によると、対象者は約2600万人になり、総額約1300億円規模が見込まれるという。

   しかし、主要メディアの多くは「参議院選挙へのアピール」と指摘する。朝日新聞(3月16日付)「『選挙対策として重要』 自公にバラマキムード」によると、給付金案は自民党から浮上、公明党が同調したそうだ。「自民重鎮は『選挙対策として重要だ』と、参院選を見据え支給のタイミングを気にかける」とある。一方で、朝日新聞は「与党内では『5000円もらって有権者は喜ぶだろうか』『(バラマキ)批判を浴びる』と懸念する声が出ている」とも伝えている。

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