高齢社長のトップ3は秋田・岩手・青森
また、興味深いのは、都道府県別にみたデータだ。最も社長サンの高齢化が進んでいるのが「秋田県」で62.3歳(全国平均比プラス2.0歳)。次いで「岩手県」62.1歳(同プラス1.8歳)、「青森県」61.9歳(プラス1.6歳)と、東北3県がトップ3を占めた。前年(2020年)のデータを見ても、トップ3は同じだ。これもいったいどういうわけだろうか。
また、東北をのぞいて主に東日本では、東京都(同59.7歳)と石川県(59.3歳)以外は全国平均を上回る結果となった。一方、前年比減となったのは西日本の島根県(マイナス0.1歳)と徳島県(マイナス0.1歳)の2県のみで、全体的に「東高西低」の状況が続いている。
さて、帝国データバンクでは、社長の高齢化が止まらない一番大きな理由を、後継者不足、つまり「事業継承」による世代交代進まない現状にある、としている。2021年の社長交代率は3.9%と低水準の状態が続く。交代企業の平均年齢は交代前の68.6歳から交代後の52.1歳へと、平均16.5歳の若返りとなった=図表2参照。
帝国データバンクでは、今回の調査についてこう分析している。
「社長年齢の上昇は、(中略)事業承継や世代交代などが進んでいないことを表している。事業の将来的な存続に欠かせない後継者の選定と育成にかかる時間を見誤ると、不測の事態が起きた際に円滑な移行に失敗する危険性をはらむ」
「世界的に事業を取り巻く環境が変化しつつある今、企業がこれまで培ってきた経営資源や企業が紡いできた長年の歴史を絶やさないためにも、内部からの昇格や外部からの招聘、あるいは近年さらに増加しつつあるM&A(企業・事業の合併や買収)なども視野に入れたさまざまな事業承継の形から、会社の将来を選択する必要に迫られている」