ロシアによるウクライナ侵攻が激化している。停戦協定が続けられているが、進展は見られないまま。そうしたなか、欧米のロシア産原油の輸入禁止に向けた動きを受けてエネルギー価格が急騰。物価上昇を招き、米国の2月の消費者物価指数はじつに40年ぶりの高い水準となった。
国内でも物価上昇圧力が強まっているうえ、1ドル=117円台に円安が進行している。どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 注目! 日米で金融政策会合
日経平均株価予想レンジ:2万4500円~2万6000円
2022年3月11日(金) 終値 2万5162円78銭
今週の東京株式市場の日経平均株価は、引く続き神経質な展開か。
前週の日経平均株価は大きく下落。4週続落となった。欧米のロシア産原油の輸入禁止の検討を受けて原油価格が急騰。加えて、米国の2月の消費者物価指数が40年ぶりの上昇となったことで、米国の長期金利が上昇したことを嫌気し、日経平均株価は一時2万4000円台半ばまで下落した。
今週の日経平均株価は、引き続き神経質な展開となりそうだ。注目材料は二つ。言うまでもなく、一つはウクライナ情勢で、停戦協定がどの程度進展していくのかが最大のポイントになる。
もう一つは、米国の金融政策。15~16日のFOMC(米公開市場委員会)で、利上げがどのような水準となるのか。0.25%の利上げは相場に織り込まれているものの、米国のインフレ圧力の高まりを背景に、利上げ幅の拡大に関連した動きが出れば、相場の材料となりそうだ。
また、国内でも17~18日に日本銀行の金融政策決定会合が開催される。金融政策は現状維持が予想されているが、国内でも物価上昇圧力が強まっているうえに、1ドル=117円台に円安が進行していることから、日銀がどのような情勢判断を行うのかが注目される。
東京外国為替市場 米長期金利が上昇、ドル買い要因
ドル・円予想レンジ:1ドル=116円00銭~118円50銭
2022年3月11日(金)終値 117円28銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルの堅調地合いが継続か。
前週のドル円相場は、ドルが上昇した。米国の物価上昇圧力を背景に、米国の長期金利の上昇を受けて、ドルは1ドル=117円前半までドル買い・円売りが進んだ。
今週のドル円相場は、ドルの堅調な地合いが続きそうだ。米国の2月の消費者物価指数が40年ぶりの上昇となり、物価上昇圧力の強まりを背景とした米国の長期金利の上昇がドル買い要因となっている。
15~16日のFOMC(米公開市場委員会)では、米国の利上げが決定されると予想される。0.25%の利上げは相場に織り込まれているものの、ドルの下支えとなる。利上げ幅の拡大に関連した動きが見られるようであれば、ドル買い材料となり、ドルは1ドル=118円を目指す動きとなりそうだ。
経済指標は、国内では16日に2月の貿易収支、17日に日銀の金融政策決定会合(18日まで)、1月の機械受注、18日に日銀の黒田東彦総裁会見、2月の全国消費者物価指数などが予定されている。
海外では、15日に中国の2月の鉱工業生産と小売売上高、米FOMC(16日まで)、16日にFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長会見、米国の2月の小売売上高、17日に米国の2月の住宅着工件数と鉱工業生産、設備稼働率、18日に米国の2月の中古住宅販売などが予定されている。
(鷲尾香一)