なぜパラレルインカムは「FIREの5倍ラク」なのか?
最近、よく聞くFIRE(Financial Independence,Retire Earlyの略語)とは、経済的自由を得て早期リタイアを目指すことだ。金融資産で1億円をつくり、その1億円から配当収入を得て、年間400万円で生活していくというものだ。だが、1億円の元手(資産)を10~20年かけて築いていくのは至難の技だと、泉さん。
ROI(投資利益率)からすると、不動産投資のROIは高く、2000万円の資金があれば、経済的自由に短期間で近づくことができるという。パラレルインカムは「FIREの5倍ラク」と本書にあるのは、それを意味している。
不動産投資で資産所得を得るための5つのポイントを挙げている。
1 ROIで測る 目標は20%
2 金融機関からの信用を高める 金利が下がるとROIを高める効果がある
3 空室にならずに安定した収入が得られるエリアを買う
4 災害リスク回避のために、3物件以上に分けて購入する
5 安く買う 売主との価格交渉をする
本書では、パラレルインカムを実現した6人の実例も紹介している。それらを読むと、いいことばかりのようだが、不動産投資には失敗があることも忘れてはいけない。シェアハウスの「かぼちゃの馬車」事件で不正融資が発覚したスルガ銀行の件では、多くの被害者が生まれた。
人間の欲望は無限に広がる。泉さんは「支出のサイズ」「仕事のサイズ」「拠点の数」でパラレルインカムの方向性は決まるという。自分によって自由とやりがいを両立できるサイズを見つけることが大切、という考えは傾聴に値すると思った。
(渡辺淳悦)
「『パラレルインカム』のはじめ方」
泉正人著
ディスカヴァー・トゥエンティワン
1760円(税込)