コロナ禍で親の教育資金への不安が高まった
一方、「教育資金の備え」をみると、「(備えが)増えた」が42.1%、「減少」が57.9%だった。コロナ禍による家計の状況を変化ごとにみると、「減少」と答えた親のうち、家計が悪化した親は70.3%と、家計が改善した親(34.6%)と比べて35.7ポイント高くなった。ソニーFGは、家計の悪化が教育資金の準備状況に影響していると考えられるという。
また、「教育資金に対する不安」を聞くと、「(不安が)増えた」が70.8%、「減少」が29.2%だった。コロナ禍でも、教育費は増える傾向にあり、家計の悪化や教育費の増加によって教育資金が不足することを懸念している親がいるのではないか、とみている。
ソニーFG金融市場調査部のシニアエコノミスト、渡辺浩志氏は「コロナ禍で所得の先行きが見通しづらくなり、教育資金への親の不安が高まったことがうかがえます。しかし、家計の厳しさとは裏腹に、親の半分超が『子どもの教育費を増やした』と答え、7割近くが『コロナ収束後は子どもの教育費を増やしたい』と考えています。多くの親が、子どもの長い人生にとって教育はかけがえのないものであると考え、出費を惜しまない姿勢がみられます」と、子どもの幸せを願う親心が垣間見えるという。
なお、調査は2022年1月28日~31日に実施。有効回答は1000サンプルで、内訳は親の性別×子の性別×子の通う学校(未就学、小学校、中学校・高校、大学・短期大学・専門学校・予備校の16分割)別にほぼ均等になるように抽出。子どもの教育や教育費に関する内容について、自身の考えや状況がどの程度あてはまるかを聞いた。