先行きが不透明な時代でも「長く」うまくいき続けるためには、良質な学びは欠かせません。ただし、学びといっても、「やみくもにセミナーに行きましょう」「とにかく資格をとりましょう」ということではありません。しっかりと目的をもち、学んでいく姿勢が必要です。
「お金に困らない人が学んでいること」(岡崎かつひろ 著)すばる舎
面白くなければ頑張れない!!
「勉強する時間があったら、遊びたい」――。このように考える人は多いはずです。人は学ぶことより遊びを優先したいし、努力よりもラクをしたいものです。著者の岡崎さんは過去を振り返り、次のように述べています。
「学生時代、一番楽しかったのは部活動と麻雀。授業をサボっては麻雀で遊び、部活動だけはまじめにやる。一度だけ勉強にハマったこともあります。大学1年生のころに『1年間、真剣に勉強に取り組んだらどうなるだろうか?』と思い、すべての授業を最前列で聞き、ノートを真剣にとり、ほぼすべての教科でA評価を得ることができました」(岡崎さん)
「しかし、何も変わりませんでした。残念ながら、勉強の面白さも、勉強できるようになることで得られる価値もわからずに終わってしまったのです。なぜなら、勉強するために勉強をしてしまったからです。『このまま続けても、たいしたことは得られないな』と思い、勉強ではなく、バーテンバーのアルバイトに真剣に取り組むようにやりました」(同)
人は、面白いことのほうが頑張ることができます。岡崎さんは、真剣にバーテンダーをきわめようと考えて、数百種類のカクテルを必死に覚えていきました。
「頑張ることができた理由は、お客さまに喜んでもらうことがとても楽しく、やりがいがあったからです。さらに、頑張った分だけ給料がもらえる。これほど幸せなことはありませんでした。つまり、学ぶということにおいて大事なポイントは『その先に何が得られるかをイメージできているかどうか』ということです」(岡崎さん)
頑張った先に報われるというイメージがあれば、ワクワクもできます。面白さやワクワクこそ、学びの大きな原動力になる、ということでしょう。苦手な勉強や努力も、その先の姿がイメージできれば行動につながりやすいのです。
勉強好きが一流になりやすいワケ
人気テレビ番組「開運! なんでも鑑定団」の鑑定士としても有名な北原照久さんに、岡崎さんはこんな話をうかがったことがあるそうです。
「北原さんがある講演会に呼ばれた時の、次のようなエピソードです。『勉強会といわれていたけど、どうせたいして勉強なんかしないで、みんなでお酒でも飲んで遊んでいるのだろうと思ったら、決してそんなことはなく、いい大人が真剣に学んでいる。気がつけば、その勉強会に参加していた仲間の4人は上場企業の社長になっている。やっぱり成功する人って勉強好きだよね』。このように仰っていました」(岡崎さん)
「勉強好きは、なぜ成功者になるのでしょうか。答えは『つきあう人が変わり、意識が上がる』ためです。類は友を呼び、朱に交われば赤くなります。学びや自己投資に積極的な仲間たちのなかに自分もはいれば、自然とそうなっていくのです」(同)
筆者である私が、経営学修士(MBA)、経済学修士(MEcon)を取得したのは、社会人になってからです。当時は、いまのように社会人大学院や専門職大学院などありません。仕事を犠牲にしなければ、取得はできませんでした。しかし、いまは、多くの人に学ぶための門戸が開かれています。学びの選択肢もおおいに広がりました。このタイミングを利用しない手はありません。
変化の時代には「学ぶ」ことが重要だと断言できます。次に起こることを予測し、情報に振り回されず、自分で判断をする必要があるからです。本書では、学びを成果に変え、学び続けることで、お金に困らない人生を歩むための方法が紹介されています。
(尾藤克之)