職場に生理用品を! 女性の働きやすさ向上へ、花王「職場のロリエ」プロジェクト始動

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

   花王の生理用品ブランド「ロリエ」は、企業のオフィスなどに生理用ナプキンを設置する取り組み「職場のロリエ」を、国際女性デーにあたる2022年3月8日に始動した。

   「職場のロリエ」は、女性にとって、より働きやすい環境をつくるべく、各企業にトイレットペーパーと同じように生理用品を備品化してもらうことを目指す活動だ。女性の就業率が年々伸長しているにもかかわらず、職場での生理を取り巻く環境は「置き去り」にされがちだった。そんな課題に対して、「ロリエ」に何かできることがないかを考えた。

   「職場のロリエ」を設置する企業を募り、生理用品を職場に備品として置いてもらおうと、実現を目指していく。

  • 生理用品の備品化を目指す「職場のロリエ」プロジェクト始動
    生理用品の備品化を目指す「職場のロリエ」プロジェクト始動
  • 生理用品の備品化を目指す「職場のロリエ」プロジェクト始動

生理のトラブル、対処法は我慢するしかない!?

   女性の生理の悩みは個人差があるなど、上司と部下の関係であることはもちろん、女性同士でも相談しづらいとされる。

   「職場のロリエ」プロジェクトの始動にあたり、花王が20~30代の働く女性500人を対象に、生理に関する意識・実態調査を行った(2022年1月29日?30日に実施)ところ、生理について悩みがある女性の8割以上が、生理中は「仕事の業務効率が下がる」と実感していることがわかった。

職場での生理を悩む女性は63%、パフォーマンスも低下(花王の作成)
職場での生理を悩む女性は63%、パフォーマンスも低下(花王の作成)

   職場での生理について悩む女性は63%と多く、通常時のコンディションを「100」とすると、生理中のコンディションは半分以下の「48」にまで低下すると感じているという。仕事におけるパフォーマンスへの影響を聞くと、生理の悩みがない女性でも4割が、生理の悩みがあると答えた人では8割が「うまくいかない」と感じている。

   また、生理中の働き方を聞くと、テレワークのみの女性は56%が「生理中は無理せず過ごす」と答えたのに対し、オフィスワークのみの女性は61%が「生理中であってもいつもどおり」仕事に取り組んでいると答えた。

   生理中のオフィスワークで困ったことの1位は「ナプキンを取り換える時間がなかなかとれなかった」(56%)で、59%の女性は「我慢した」と答えている。また、生理中にオフィスで快適に過ごせなかった、次のようなつらい体験談が複数寄せられた。

ナプキンを取り替える時間がなかなかとれず、59%は「我慢した」(花王の作成)
ナプキンを取り替える時間がなかなかとれず、59%は「我慢した」(花王の作成)
「生理痛がつらくなったが途中で帰りたいと言えなかった」(宮崎県、25歳)
「ふだんと変わらず、重いものを持たないといけない」(長野県、21歳)
「腹痛でお手洗いに行きたいのに、持ち場を離れることができない」(兵庫県、23歳)
「途中でおなかが痛くなってしまい、業務を1時間中断した」(埼玉県、23歳)
「ふだんならすぐに理解できることが、頭が回らないので理解にタイムラグが生じてしまう」(京都府、30歳)
「痛みがあっても接客業なので休むタイミングがない」(東京都、32歳)

   さらに、オフィスでの生理に関する周囲との関係性について、20代と30代を比べると、20代女性の55%が「生理が重いときでも仕事を休むことが許されない雰囲気を感じる」、また、45%が「生理で不調のときに職場の理解が得られないと感じる」など、20代女性のほうが、より休みづらいと感じて、悩まれている傾向がうかがえた。

8割超の女性「生理用品が勤務先に常備されたら使いたい」

   こうした現状を踏まえて、花王が「勤務先のトイレに、無料で使える生理用品が常備されたら使いたいか」聞いたところ、83%が「使いたい」と回答。生理の悩みが深刻になりがちなオフィスに生理用品が常備されることは、女性の快適な働き方の応援につながりそうだ。

「職場のロリエ」のメッセージ
「職場のロリエ」のメッセージ

   生理用品の備品化を目指して――。今回の「職場のロリエ」に先駆けて、生理用品の備品化の実施テストを、複数企業の賛同を得ておこなった。多くの女性誌を出版する宝島社は、

「急な生理に対応する心配が減って、安心していられると思います。また、生理用品はある程度決まったものを使い続けている傾向があると思うので、いろんなタイプを試してみたいという声が上がってきそうです」

と、導入の反響を語った。

   また、PMS(月経前症候群)治療薬の「プレフェミン」を販売しているゼリア新薬工業は、

「生理に対する課題に取り組む素晴らしい企画と感じたため、参画しました。PMS治療薬『プレフェミン』を通して、生理に関する社会課題の解決に努めており、この企画からもPMSについて広く知れわたる機会になれば幸いと考えています」

と話すなど、好評を得ている。

   なお、花王はプロジェクトの始動にあたり、「ロリエ」の新しいブランドアンバサダーに女優の二階堂ふみさんの起用を発表。「『ジェンダーギャップをなくしていこう』と、SDGsの目標にもあるように、学校教育や社会全体が、生理を持つからだの方々と一緒に社会をつくっていくという時に、どんどん知っていってほしいし、ポジティブに広げていくような活動がご一緒できればなと思っています」と、抱負を語った。3月8日の「国際女性デー」で1日限り放映された二階堂さんのCMも話題となった。

姉妹サイト