東日本大震災11年、奮闘する被災地企業の今 「復興の道のり険しいが、福島に明るさが...」

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コロナ禍も加わり、「息切れ型」倒産が心配

   また、2022年2月時点で事業継続が確認できている被災地企業3244社の売上をみると、震災発生後の2011年4月以降、売上高が震災前(2010年度)の水準に「回復した」企業は全体の65.4%にとどまっている。被災地企業の3社に1社では、いまだに1度も売上高が震災前の水準に届いていないのだ=図表3参照

(図表3)売上高が震災前までに「回復」するまでに要した期間(帝国データバンクの作成)
(図表3)売上高が震災前までに「回復」するまでに要した期間(帝国データバンクの作成)

   復興の道のりがいまだに厳しいことがわかるが、ここにきてコロナ禍が新たなハードルに加わっている。帝国データバンクはこう結んでいる。

「政府は、2021年3月に終了した『復興・創生期間』を引き継ぎ、復興の取り組みをさらに後押しする『第2期復興・創生期間』を2026年3月まで定めるものの、東北の復興事業は総仕上げの段階に入っている。当地での被災企業でも、今後は支援に頼らない本来の自主経営を求められることになるが、地域経済の衰退や震災で失った販路の消失など、企業努力だけでは挽回できないマイナス要素も大きい」
「また、新型コロナウイルスによる景況感の落ち込みなど、震災復興当時には到底想像しえなかった経営環境の激変も加わり、震災で被ったダメージから完全に回復できない事情も横たわる。今後も、業界によっては震災前の水準まで回復が及ばないことも想定されるなか、12年目以降も被災地を中心に震災に起因した『息切れ型』の倒産増加も否定できず、動向にはなお注視が求められよう」

(福田和郎)

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