ウクライナ危機で株価急落、逆風下で3%高の伊藤園株 飲料回復を投資家歓迎

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

売り上げの7%占めるタリーズが黒字転換へ

   ここでタリーズについて確認しておこう。もともと米シアトル発でスターバックスと並ぶコーヒーチェーン。日本では実業家の松田公太氏が1997年に創業し、2006年に伊藤園傘下となった。2022年1月末現在の店舗数は762。米国の本家は2012年に経営破たんしたが、日本ではライセンス権を買い取っていたのでその影響もなく事業を継続している。

   伊藤園の売上高全体に占めるタリーズの割合は今期7%程度で、お茶などの飲料全般の「リーフ・ドリンク関連事業」の売上高の8%程度。客足が途絶えた前期は通期で13億円の営業赤字だった。2021年10月中間連結決算の時点で営業黒字は1億円余りだったが、今回の決算発表によって2期ぶりの通期黒字が確実な情勢となった。主力飲料の伸びに加え、この黒字転換も投資家に安心感を与えたようだ。

   とはいえ、ロシアのウクライナ侵攻以前からコーヒー豆など原材料費が高値圏にあり、今後の収益に影響しかねない。国内で勝負するディフェンシブ銘柄としては有力かもしれないが、業績の推移には注意する必要もありそうだ。(ジャーナリスト 済田経夫)

姉妹サイト