上場スーパーゼネコンも減益に
業績の悪化は、鹿島建設や大林組、大成建設、清水建設のスーパーゼネコンも例外でない。これら4社の2022年3月期連結の連結業績予想は、売上高は4社とも増収見通しだが、利益は資材価格の高騰や受注環境の悪化などで、4社合計は前年から約3割減と大幅な減益を見込んでいる。
東日本大震災から11年を迎え、潤った復興工事が一巡。コロナ禍の影響で、景気回復の遅れが建設業にも及んでいることもある。
東京商工リサーチは、法的倒産などの準備中を含む「破たん」をみると、経済産業省が推進する価格の転嫁はできても、上昇する人件費などの自己負担分は重く圧しかかり、ジワジワと「破たん」を押し上げている。事業規模が小規模の事業者ほど、息切れが鮮明になってきた、とみている。
資材仕入や労務管理などを徹底しているスーパーゼネコンですら減益に追い込まれたところに深刻さが隠れている。中小建設業者の利益環境は、さらに厳しそうだ。