新規上場時の「公開価格」低い値付け問題...公取委の指摘 これからどんな改善進みそうか?

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十分納得したうえでの公開価格設定を望む

   公取委の報告書は、想定発行価格を決めるにあたり、企業側が算定根拠について説明を求めても「説明を受けられなかった」などの声を紹介している。上場手続きが進むと主幹事を変えることは難しくなるとして、証券会社が合理的な根拠を示さずに価格を低く設定すれば「(独禁法上の)優越的地位の乱用に当たるおそれがある」と指摘した。そのうえで、公開価格について「十分協議を行い、上場会社が十分納得したうえで設定すること」を求めた。

   ほかにも、証券会社が上場手続きの手数料を同業他社と申し合わせたり、他社が主幹事を引き受けることを妨害したりした場合、独禁法上の問題になる可能性があるとも記した。

   公取委の報告を受け、日証協は22年2月28日、改善策をまとめた。取引所など関係者と調整し、年内の改善を目指す。

   改善策は、仮条件の価格帯について従来より範囲を拡大するとともに、さらに投資家の需要が旺盛な場合は仮条件の範囲を超えた高値で公開価格を決められるようにする。また、売り出し株数の変更も一定範囲内であれば、手続きのやり直しをせずに認める。

   市場環境の変化により価格が変動するリスクを抑えるため、取引所の上場承認から取引開始までの期間を現在の約1か月から21日程度に短縮する。上場する会社に対して、証券会社側が公開価格の根拠を示すなど対話の強化も促す。

   逆に、初値が高騰しすぎないようにする対策として、値段を指定しない「成り行き注文」について、初値が決まるまでは禁止するように東証に検討を求めるとした。

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