東京外国為替市場 ウクライナ侵攻で米ドルの上値重く
ドル・円予想レンジ:1ドル=114円00銭~116円50銭
2022年3月4日(金)終値 114円78銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、上値の重い展開か。
前週のドル円相場は、ドルが急落した。週末には、ロシア軍がウクライナのザポロジエ原発を攻撃し、火災が発生したことでリスク回避のドル売り・円買いが活発化し、ドルは1ドル=115円台半ばから1ドル=114円台半ばへ急落した。
今週のドル円相場は、上値の重い展開が続きそうだ。ロシアとウクライナの停戦協議が進められているとはいえ、目立った進展はなく、引き続きウクライナ情勢がドルの上値を抑えることになりそうだ。
加えて、ロシアに対する先進国の経済制裁で、世界経済の悪化懸念が強まっている。一方で米国の利上げに関しては、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が議会証言で、現時点で0.5%の大幅な利上げに否定的な姿勢を示したことで、ドルの買い材料となる可能性は低下している。
経済指標は、国内では8日に1月の景気動向指数、2月の景気ウォッチャー調査、9日に10~12月期GDP(国内総生産)改定値、2月の工作機械受注、10日に2月の国内企業物価指数、11日にメジャーSQ、1~3月期の法人企業景気予測調査などが予定されている。
海外では、7日に中国の2月の貿易収支、8日に米国の1月の貿易収支、9日に中国の2月の生産者物価指数と消費者物価指数、10日にECB(欧州中央銀行)定例理事会、米国の2月の消費者物価指数などが予定されている。
(鷲尾香一)