出会い→投資→詐欺の手口に気を付けて
こうした「ロマンス投資詐欺」には共通した手口がある。以下のような流れをたどってお金を巻きあげるのが特徴だ=図表2参照。
【1:出会い】
出会い系サイトなどでマッチングが成立。マッチングの相手は外国人を名乗るケースが多い。出会い系サイトなどでは外部サービスを通じた交流を規約で禁じているところが多いので、実際に会う前に、たとえば通話アプリでやり取りしないかと持ち掛けられる。
【2:投資】
マッチング相手から投資サイトを案内され、投資を勧められる。ためらっていると、ベイビーだとかハニーなどと甘い言葉をかけられたり、将来のためだからと誘われたりする。初めは少額で、投資サイト上で利益が出る(ように表示されることも多い)。そして、実際に出金もできる。すると、相手からさらに高額の投資を勧められ、多くの額を送金することになる。
【3:詐欺】
しかし、利益を出金しようとすると、「所得税」「手数料」「マネーロンダリングの口座凍結解除金」など、さまざまな名目で送金を要求される。そのうち相手や投資サイト運営事業者と連絡がとれなくなり、一切返金されない。投資サイトも閲覧できなくなる。詐欺を働いていたグループが「トンズラ」するわけだ。
国民生活センターでは、
「出会い系サイトやマッチングアプリ等で知り合った相手から紹介された投資サイトでは、運営会社や投資の運用の実態が確認できないことが多く、その資金を取り戻すことは極めて困難となります」
と、アドバイスしている。
(福田和郎)