大企業中心に広まる「ジョブ型」人事 これから高い報酬得るには...「高い専門性」と、もうひとつ必要なこと(高城幸司)

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   いろいろ話題になりながら、実行できるのか、と疑問を抱かれてきた「ジョブ型」人事制度。今、大企業では確実に広がりをみせています。2022年に入り、日立製作所がジョブ型人事制度の導入を発表しました。同じように追随する大企業の動きがニュースに登場するのをみかけます。

  • ジョブ型人事制度のもとで生き残る術とは
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専門人材の採用競争激化!ジョブ型人事制度への高い関心

   ジョブ型の人事制度とは、職務(ジョブ)に合う人材を採用する人事制度のこと。ジョブとは担当する仕事と役割のことで、ジョブごとに報酬が定められます。

   これまで日本の大企業は、終身雇用制度と職務内容を限定しない「メンバーシップ型雇用」が採用されてきました。ところが、世界ではジョブ型がスタンダードなので、人材獲得競争がグローバルに行われるなかで、大企業はジョブ型人事制度へのシフトをせざるえない状況になっての決断とも言えます。

   当然ながら、大企業のグループ会社も同様に制度に巻き込まれて、導入が加速中。さらには、グローバルとは言い切れない中堅の企業も、人手不足でエンジニアや人事・経営企画など専門人材の採用競争が激化して、部分的に導入が進んでいます。

   おそらく今後、採用競争が激しい業種・職種では差別化のために、ジョブ型人事制度の導入は増えていくと思われます。こうなると、自分もこの流れに巻き込まれる可能性がありそう。ジョブ型人事制度で生き残る術を理解しておく必要が出てきたと言えます。

適正な人事評価を得るためにすべきことは?

   では、どうしたらいいのか? 特定分野での高い専門性が必要不可欠です。

   たとえば、エンジニアとしてのスキルや法務に関する専門知識の取得などレベルを図り、それが「グレード」と呼ばれる報酬幅の設定基準になっていきます。

   さらに、マーケティングのポジションにおいてSNSマーケティングなのか、コミュニティビルディングなのかなどの経験・スキルの希少性も加えて、報酬幅が変わっていく可能性があります。

   ですので、高い報酬を得られる可能性が高い専門性を磨いていくことが重要とも言えます。ただ、その専門性を会社が認識しないと、報酬には反映されません。

   そこで、プレゼンテーション能力を高めていくことが、生き残るために重要度が高まると思われます。

   ジョブ型人事制度ではメンバーシップ雇用と比べて、会社と社員はより対等な関係と考えるべき。そのため、採用の場面や入社後にも適正な人事評価を得るには、スキルや実績、そして職場における成果をわかりやすく相手に伝えなければ、報酬が上がらないのです。

   だからこそ、自身の成果や強み、また改善点を分析し、さらにそれをわかりやすい形で相手に伝える機会をつくり、実行していくべきだと考えます。

   同じ内容を伝える場合でも、伝える方法によって相手への伝わり方は大きく変わることを念頭に置き、意識的に明瞭で相手を納得させることのできるプレゼンテーションを心がけましょう。

(高城幸司)

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
株式会社セレブレイン
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