パウエル発言の日、「恐怖指数」は30を超えた
エコノミストたちは、株式市場がどうなると見たのだろうか――。
野村アセットマネジメントのシニア・ストラテジスト石黒英之氏のリポート「利上げ姿勢堅持のパウエル議長と株式市場」(3月3日付)では、株式市場に対する投資家の心理状態を数値で表した「恐怖指数」と呼ばれる「VIX」(ヴィックス)に注目した。数値が高くなると、株価が下落する可能性が高まるとされる。
「(パウエル発言のあった)3月2日時点で米国株の不安心理を示すVIXは、30超となるなど、年初の10台から急騰しており、市場の緊張は高まっています」「FRBが利上げを急げば、米国が景気後退に陥るリスクも高まっています」「ただ、現時点でFRBは市場との対話をスムーズに行なっているようにもみえます」「目先はウクライナ情勢と物価指標を見極めながら、下値を複数回に分けて丹念に拾うことが肝要と考えられます」
恐怖指数は高まっているが、市場はまだFRBの金融政策の舵取りを冷静に見守っているというわけだ。