FRBパウエル議長「利上げ発言」、エコノミストはどう見たか? 情勢悪化と原油高騰重なったら、まさかの展開も?【ウクライナ侵攻】

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原油高を横目にみながら利上げの難しい舵取り

   今回のパウエル議長発言をどう受け止めればよいのか。専門家の意見を読み解くと――。

   日本経済新聞(3月3日付)「FRB議長、ウクライナ侵攻で視界不良 3月利上げは堅持」につく「ひと口解説・分析・考察」の「Think!欄」では、慶應義塾大学総合政策学部の白井さゆり教授がFRBの今後の政策をこう予想している。

「少し前まではFRBもインフレを重視して利上げや量的縮小(QT)に前のめりになっていたが、ウクライナ戦争が長期化すればエネルギー価格が高い水準で維持されるため、米国の成長への下押しを新たに意識せざるをえなくなった」「年内は3月、5月、6月は0.25%ずつの利上げ、その後はインフレと経済情勢をみながら利上げのタイミングを決めていくだろう」
世界経済を大混乱に陥れているロシアのプーチン大統領(ロシア大統領府公式サイトより)
世界経済を大混乱に陥れているロシアのプーチン大統領(ロシア大統領府公式サイトより)

   同欄では、立教大学ビジネススクールの田中道昭教授も、

「米国の経験則の1つに『油価が10ドル上昇すると、インフレ率が0.4%~0.5%程度上昇』というものが指摘できます」「WTI原油価格は110ドル前後と高止まり。インフレ率がすでに7.5%と40年ぶりの高水準となっているなか、FRBとしては金融市場の混乱が起きないことを注視しながらも利上げに踏み切らざるを得ない」

と、FRBには難しい舵取りを迫られているとみる。

   日経新聞論説委員の上杉素直記者は、「現時点で米国の金融政策のシナリオを修正する必要はない――というのがパウエル議長の説明」と指摘したうえで、「ドルの利上げは金融マーケットや新興国経済に予期せぬインパクトをもたらす可能性が指摘されてきました。さらに変数が増え、先を見通すのが一段と難しくなりました」と懸念を示していた。

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