好業績では増えるが、悪化すれば減るボーナスが中心だった
もっとも、今回の大幅賃上げの背景には同グループ独特の「給与体系」があるようだ。
朝日新聞(3月1日付)によると、「年収に占める月給の割合を増やす報酬制度の見直しに伴うもの。収入を安定させることで優秀な人材の確保につなげたい考えだ」とある。また、「ボーナスは業績に連動して金額が決まる仕組みで、好業績のときは増えるが、悪化すれば減る」という仕組みで、これまでは変動が大きかったようだ。しかし今後は、収入を安定的にしたいということらしい。
今回の「新入社員の給与30%アップ」にはヤフーニュースのヤフコメ欄でも大いに盛り上がっている。
千葉商科大学国際教養学部准教授で、「社会格闘家」の常見陽平氏はこう指摘した。
「バンダイナムコグループとして、どのような企業を目指すのか、旗幟を鮮明にした施策だ」「メーカー的な考え方から、プラットフォーマー、コンテンツプロデューサーを志向したものに明確に舵を切った」「ヒット商品があった場合は外資系企業や、総合商社も驚くような利益分配金が出る企業グループではあった」「これは必ず約束されるわけではなく、年による振れ幅も大きかった。基本給を上げることは従業員、求職者に安心感を生むし、リスクのある挑戦、中長期の取り組みもしやすくなる」
今回のねらいを評価しながらも、こう疑問を呈した。
「エンタメ企業だけにもっと驚きのある人事制度を期待したかった。5年遅い(中略)。ちょうど新しい中期経営計画が始まる。第二、第三のサプライズを期待」