「すぐ契約すれば映画やファッションショーに出してあげる」
このように悪質業者は、夢につけ込んで甘い言葉をかけ、有料のレッスンやマネジメントの契約を勧めてくる。実際、トラブルにあった人は、以下のような勧誘を受けているという。まず、「オーディションに合格!」と喜ばせておいて、それからお金を要求してくる。
「あなたは5000人の応募者がいた中の数名の合格者だ」
「本日中に契約すれば映画やファッションショーに出してあげる」
「レッスンを受けないと仕事できない。芸能界では当たり前。お金をかけてでも自らのスキルアップが必要だ」
「今どうするか決めないと、合格を取り消す。今しかないチャンスだ」
また、「不合格」だったとしても期待を持たせる言葉で惑わせてくる。
「オーディションは不合格だが才能がある。やる気があるならレッスンを受けよう」
「他の企画にあなたを推薦したい。もう一度事務所に来てほしい」
なかには、「すぐに仕事が入るから問題ない」とクレジット契約や借金をして契約するよう勧めてくる悪質事業者もいる。
国民生活センターではこうアドバイスしている。
「レッスンを受講しても必ず仕事や報酬につながるわけではありません。家族や周囲の人に相談するなど『冷静』『慎重』な判断を心がけましょう。不意打ち的な勧誘を受ける場合があり、安易にその場で契約せずに、具体的な活動内容やサポート体制、費用などをよく確認しましょう。また、今年4月から『18歳で大人』になります。契約を急かす相手や、お金を借りることを勧める相手をきっぱり断れる大人になりましょう」
(福田和郎)