楽天証券のポイント還元率0.2%に「引き下げ」 不評で顧客離れか?原因はグループのあの「新規事業」のせい

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

携帯電話事業の赤字の穴埋め迫られ?

   だが、2020年4月に本格参入した携帯電話事業が誤算となったようだ。

   自前で基地局などの通信インフラを抱える「第4の携帯電話会社」になったことで基地局整備に多額の費用を要し、2021年12月期の連結最終損益は1338億円の赤字に沈んだ。楽天グループとして過去最大で、最終赤字は3年連続となる。楽天市場などのインターネットサービス事業は、営業利益が倍増。金融事業も1割増だったが、携帯電話事業の赤字を補えなかった。

   基地局の整備費に加え、自社設備がまだ整っていない地域でKDDIから回線を借りる費用もかさんだ。楽天グループとしては、携帯電話事業の2023年12月期中の黒字化を目指している。だが、携帯電話事業にいったん参入すると、継続的に一定水準の投資が必要となる。また、足元では第5世代通信システム「5G」関連の設備投資を迫られている。

   資金の確保は必須で、グループ傘下の楽天銀行が株式上場の準備を始めたのも、こうした背景がありそうだ。

   そんな中で、資金の流出を少しでも抑制するための対応の一つが、ポイント還元の縮小だろう。携帯電話事業は各社の競争が激しく、楽天グループの「楽天モバイル」の新規契約数の伸びは鈍化してきている。

   しかし、ポイント還元の縮小は顧客離れの「負のスパイラル」を招く恐れもあり、楽天グループの成長が携帯電話事業に足をすくわれかねない状況に直面している。(ジャーナリスト 白井俊郎)

姉妹サイト