コロナ禍による「巣ごもり」でネット販売が盛況です。インターネットが実現させた最強のフリーマーケットが、ヤフオクとメルカリ。スマホがあれば、誰でも簡単に不要品を出品できて片付けが進むだけでなく、お小遣いまで獲得できます。
「終活も断捨離もメルカリ、ヤフオクで!」(鈴木絢市郎 著)WAVE出版
簡単に取引できるメルカリ、ヤフオクの人気
メルカリは、2013年にサービスがスタートしました。名前の由来は、ラテン語で「商いする(mercari)」という意味。メルカリによると、「個人間で、安心・安全に取引を行えるマーケットにしていきたい! という思いを込めているとのことで、ユーザー数は約2000万(2021年9月発表、メルカリHPより)といわれています。
「常時出品数は公表されていませんが、サービス開始から8年半となる2021年12月で累計25億品が出品されています。『スマホひとつで簡単』に取引ができることから、初心者の参加が多く、子ども服や書籍、日用品や生活費など、カジュアルなものが多いのが特徴です」(鈴木さん)
ヤフオクは、1999年に「Yahoo!オークション」としてスタート(2013年、略称が正式名称)しました。ユーザー数は約2000万といわれています。雑誌の付録から車まで、常時7760万点(2021年10月実績、Yahoo! Japan)が出品されていますが、ヴィンテージ商品や、コレクター品など、高額になりやすいマニアックな商品がとくに人気があります。
「サービス開始から、20年以上が経過していることもあり、男性、年配の方、プロ、セミプ口などが多く見受けられます。ヤフオクは今まで『少々面倒というイメージ』がありました。それは、参加や出品に費用が必要であることだったり、代金を銀行振込する必要があったり、カード決済手数料が購入者負担であったりすることが挙げられます」(鈴木さん)
「安全面についても、取引相手への個人情報提供が必要なことが、参加を躊躇させる原因のひとつでした。今では当たり前の『匿名取引』についても、取り組みはあったものの、手続きがわずらわしかったり、手数料が発生したりすることで浸透はしませんでした」(同)
かつては、商品に不具合があっても、返品不可(ノークレーム、ノーリターン)がはびこっていたことが、利用を抑制する原因となっていた、と鈴木さんは指摘します。実際、筆者も、商品が届かなかったり、粗悪品をつかまされたりしたことがありましたね。
もっとも、現在では、かんたん決済(出品者や落札者はお互いの個人情報をやりとりせず、Yahoo!JAPANが代行するシステム)が定着しています。以前は、出品者と落札者が個人情報を交換しなければ取引が成立しませんでした。いまは、これらの課題が解決され、安全・安全なマーケットへと成長しています。