チャレンジ求めるトヨタ、大きな仕事任せる村田製作所
「第二新卒」に注目した今回のランキングでは、上位20社の中では中途採用比率の高い外資系企業が多くランクインした。その一方で、トヨタ自動車、村田製作所、旭化成、野村證券など終身雇用から劇的に変化しつつある日本企業も8社入っている。
とくに5位のトヨタ自動車は、2019年に新卒採用と中途採用(キャリア・第二新卒)の比率を現行の7:3から5:5にシフトする中長期計画を発表、さまざまな人材を確保する体制に変えようとしている。今後人材の流動性が高まるなかで、組織風土の変革も進んでいく。そんな日本企業の動きを口コミから探ると――。
トヨタ自動車「どこまで実現できるのかまだ世界中の誰もわからない自動運転技術をはじめ、CASE分野に惜しみなく多額の先行投資をしており、社員も失敗をしてもよいからチャレンジすることが期待されているため、前例を気にせず新しいことに取り組みやすい環境にある」(技術職、男性、システムエンジニア)
CASEとは、Connected(コネクテッド=つながる)、Autonomous(自動運転)、Shared& Services(シェアリング)、Electric(電気自動車)の頭文字をとった造語。変革の時代を迎えている自動車産業を象徴するキーワードだ。トヨタだけでなくホンダも4割の中途採用を目指している。
村田製作所「役職についていなくとも大きな仕事を任せる風潮があり、若いときから責任感を持った仕事ができる。業務に直接関係する研修だけでなくキャリアや人生について考えるような研修もあり、人として成長できる環境が整っている。ただ成長よりも現状を維持したい人には煩わしいような研修が多いかもしれない」(開発、男性)
旭化成「やりたいことがあれば、提案すれば耳を傾けてもらえる雰囲気がある。自分と同じ中途入社の社員も多く、中途だからといって特別扱いされることが少ない。世界シェアトップクラスの製品をいくつも持っており、それがモチベーションの1つとなっている。やりがいのある仕事だと感じる」(生産技術、男性)
野村證券「日々のニュースが仕事に直結するスピード感を感じながら、営業スキルも磨かれ、証券知識も豊富になり、自分の裁量で仕事ができます。人材もそろっており、自分1人で対応できないときは、上司や専門部署との同伴が可能で、単に株投信の売り買いだけでなく、お客様の全資産の管理を相談いただくこともあり、やりがいのある仕事にしていくことができます。とても面白い仕事だと思います。成長、キャリア開発するためのサポートも非常に充実しています。直接仕事に関係ないような資格取得にも補助が出ます」(営業、女性)
それぞれ、仕事にやりがいを持つことができる環境、風土があるようだ。
データの集計は、OpenWorkに投稿された会社評価リポートのうち、中途入社の20代現職社員の回答3万360件を対象にした(集計期間は2017年1月~2022年1月)。
(福田和郎)