人的投資に期待!
ここでトレンドマイクロという会社の概要をみておこう。創業者の一人は台湾出身のチャン・ミン・ジャン氏(67)で現在は代表取締役会長だ。1988年に米国で創業した後、本社を東京都渋谷区に置き、ビジネスの中心も日本市場に置いている。
インターネット経由の攻撃からパソコンを保護する「ウイルスバスター」などの個人・法人向けのセキュリティ対策商品を供給するほか、さまざまなセキュリティ支援を手がける。IT企業としては老舗の部類に入るのではないか。
株価は急落したが、必ずしも悲観論ばかりではない。SMBC日興証券は2月18日配信のリポートで、2021年12月期について「第2四半期(4~6月期)以降、落ち込んでいた北米の回復が続いていることは好印象」とし、2022年12月期について「(トレンドマイクロの業績予想で)費用増が大きく織り込まれているが、計画ほどには増加せず、通期で営業減益にならないのではないか」と指摘した。
人的投資は顧客拡大に向けた先行投資の側面があり、その効果が見えてくれば株価上昇につながる可能性もありそうだ。
(ジャーナリスト 済田経夫)